「和協の精神」で地元貢献/ANA・白水氏
本土直行便就航記念講演
全日本空輸(ANA)上席執行役員営業センター長兼ANAセールス社長の白水政治氏の講演会が1日、ホテルアトールエメラルド宮古島で行われた。白水氏は「お客さまの流動だけでなく、貨物の流動や整備基地などグループ全体で宮古、石垣、那覇をもっともっと活性化していきたい」と強調。社員同士が助け合い支え合い、一つの目標に向かって進む「和協の精神」の創業理念を紹介し、地元への貢献心をアピールするとともに支援を呼び掛けた。
講演会は、27日から宮古-東京線の就航をはじめ、宮古-関西線の通年運航を記念した行事の一環。観光産業に携わる人たちが耳を傾けた。
白水氏は「直行便の大阪と羽田については、運休をしないように営業を頑張ることが第一」と決意。地元の協力も訴えた上で「力を合わせて実績を伸ばし、早い時期に大型化が就航できるようにしたい。観光客だけでなく、地元の皆さんの生活の足として貢献していきたい」と抱負を語った。
「航空会社と旅行会社を兼務しているのは国内ではANAだけだ」と白水氏。「ある意味、相反することをやっている。難しいが共存していく」と述べた。
1989年7月の那覇-石垣路線が先島への初就航だったことを紹介。「ANAにとっては悲願の先島への就航が実現した。しかし、宮古への就航がなければ先島へ飛んだということにはならない」と話し、当時の宮古への熱い思いを振り返った。
1952年にヘリ2機で創設し、農薬散布やスーパーのチラシを空からまいたことなどが主な業務だったことや、86年に初めて国際線を就航させた日は、映画「ロッキーのテーマ」を全館放送で流し、客室乗務員を送り出したエピソード、他社との競合、経営難など、ANAが歩んできた数々の歴史も披露した。