地下水への影響で意見集約/陸自駐屯地建設計画
地下水審学術部会 今月中に審議会に報告
平良西原の大福牧場周辺への陸上自衛隊駐屯地建設計画について、地下水源への影響を判断する市地下水審議会(会長・下地義治宮古島商工会議所会頭)の学術部会(部会長・中西康博東京農業大学国際食料情報学部教授)が3日、市硬度低減化施設で行われた。2回目となる今回の審査は、現地視察後に行われ、6人の委員の意見が集約された。部会の結論について市当局は「現段階では開示できない」として、その内容は今月中に同審議会に報告するとしている。
審査後、マスコミの取材に対して中西部会長は「2回の審査を経て意見の集約が図られた。学術部会としての結論は出たが、地下水審議会の前なのでその内容は言えない」と述べた。
また、これまでの経緯について、中西部会長は「1回目の審査は先月15日に沖縄本島で行われ、そのときに防衛局の方々に来てもらって計画を説明してもらった。委員の中から、情報が不足しているということと『現場を視察しないと判断できない』との意向があったことから、今回の視察と審査になった」と説明した。
この問題をめぐっては、地下水審議会も、今回の学術部会もマスコミ非公開で行われている。
その理由について、下地敏彦市長はこれまでの取材に「この問題は微妙な問題で、いろいろな人が意見を言ってしまうと委員が十分に論議できないだろうということで、委員が自由に意見ができるような雰囲気を作りたいため」と説明している。
そのほかにも、沖縄防衛局から市に提出されている陸上自衛隊駐屯地を建設する事業計画についても、市は非公開のままとなっている。
今回の学術部会の報告を踏まえ、地下水審議会がどのような判断を示すか注目となっている。