救助犬、すごいワン!/災害救助犬実演会
高い能力にくぎ付け/主催者「災害に備えを」
「災害救助犬がやってきた!」。下地小学校と同中学校で3日、災害救助犬に関する学習会と実演会が開かれた。児童生徒は災害救助犬の実演にくぎ付けとなり、目を丸くして能力の高さに驚いていた。学習会の中でNPO沖縄災害救助犬協会の幸喜馨専務理事は災害の怖さを伝え、常日ごろから万全な備えを心掛けるよう語り掛けた。
小学校での学習会には大型犬2頭と複数の小型犬が訪れた。はじめに協会理事長の真栄城忠之さんが「この犬たちは、東日本大震災の災害救助に当たり、セラピー犬は仮設住宅の人々と触れ合った。この機会に犬と関わり、多くのことを学んでほしい」と話した。
この後、幸喜さんが講演し、東日本大震災後に派遣した災害救助犬の活動をスライドで紹介した。
救助活動で得た教訓の大きさを語り、「自分の命は自分で守る。どこに逃げるかを決めておくこと」と児童に伝えた。「家に帰ったらお父さんやお母さんとも話し合ってほしい」と災害に備えるよう促した。
実演で、幸喜さんが「ほえろ」と指示すると、間髪入れずに「ワン」とほえる救助犬に児童たちの視線はくぎ付け。そのほかの指示にも的確に応える救助犬の能力を目の当たりにした。
愛らしい小さなセラピー犬とも触れ合った。児童たちは「かわいい~」と言いながら頭や背中をなでてかわいがっていた。
同校の國仲孝人君は「普段は災害救助犬と触れ合うことがないので触れ合えてうれしかった。犬は本当にすごい」と笑顔だった。
今回のイベントは、移動を伴う災害救助犬の訓練と地域における防災意識の向上が狙い。学校での実演会のほかに、下地地区の原野で行方不明者の捜索を行う訓練も行った。
きょう4日は市内保育園でイベントを開き、5日は市中央公民館で一般向けの犬のしつけ教室を行う。
同協会は2003年4月に設立された。災害救助犬を災害発生地に派遣し、被災者の捜索を行うことを主な活動としている。