マリオット社側と交渉/渡口の浜隣接市有地
市が経過説明/新里氏、売買計画を疑問視
開会中の市議会3月定例会は23日、一般質問4日目を行った。学校建設用地問題の引き金となった渡口の浜周辺の市有地開発で、下地敏彦市長は「現在、具体的な開発計画を求めているところ」と述べ、大手企業のマリオット社がホテルを運営する計画を持つ企業と交渉を続けていることを明かした。質問に立った新里聡氏は一連の売買交渉を疑問視し、追及を強めた。
渡口の浜に隣接する市有地の売買交渉は、伊良部地区小中一貫校建設用地売却問題と密接に絡む。渡口の浜隣接地の取得を目指すマリオット社側とは別の本土企業が一貫校建設用地を仮契約後に買い付け、市に対して渡口の浜隣接地との交換を求めているためだ。
新里氏は、この騒動の根底に市の売買交渉があることを疑った。市の観光関連事業を受注したまちづくり研究会と関わりを持つ人物がマリオット社を紹介したのではないかと指摘し、下地市長に説明を求めた。
下地市長は「渡口の浜に隣接する市有地の開発を計画したいというA社が、昨年6月ごろに来たことから企画書を提出するよう申し入れた。その後企画案が提出されており、その内容は世界的に有名なホテル運営企業であるマリオット社のホテル運営を念頭に事業を計画し、実施していくというものだった」と述べた。
一貫校用地を買い付けた企業については「そのような中、今回のB社が当該用地を購入したいとの申し出があった」と説明。「もう1社話がきているので企画書を出すように申し入れたがいまだに提出はない」などと述べ、この企業の開発意欲を疑問視した。
その上で「A社は市に対して自社計画のプレゼンを行い、当該用地の開発に意欲を示している。そのことから、A社に対して具体的な開発計画を求めているところ」と述べ、マリオット社側と交渉を続けていることを明らかにした。
まちづくり研究会と関わる人物との関係性については、「紹介を受けたことはない」と否定した。
これらの答弁に対して新里氏は反論。まちづくり研究会の規模や役員構成、受注実績の説明を要求した。
奥原一秀観光商工局長が答弁し、研究会の設立年は2013年とした上で13年度と14年度に市と委託契約を結んだことを認めた。
委託内容は13年度がプロモーションビデオの制作で委託料は1545万円、14年度は「お台場新大陸2014」への出店業務で委託料は3700万円とした。
役員構成については、設立当初は宮古島商工会議所と宮古島観光協会の役員が理事として名を連ねていたとし、「現在は商工会議所の会頭が理事」と述べた。
新里氏は13年5月に設立されたばかりの法人に事業を委託した経緯や、この法人と商工会議所、観光協会の関わりを指摘して市の姿勢をただしたが、関係性を認める答弁はなかった。