「キビの糖度低減する」/年内操業で両工場が見解
29日、宮古地区農業振興会や5地区のキビ生産組合長がサトウキビの年内操業を沖糖、宮糖の両工場に連名で行った。要請を受けた後、マスコミの取材に応じた宮糖の安村勇社長は「12月と3月のキビの糖度は1度以上違う。金額にして1300円。トラック1台で1万円違うかも知れない」と指摘。沖糖の砂川玄悠専務は、「工場のコスト低減はいかに効率良く操業するかに掛かっている。効率を高めるためには、キビが糖熟した適時の操業に尽きる」と述べ、年内操業では糖度が低減する可能性があると口をそろえた。
安村社長は「1月に糖度が上がり、3月はもっと上がる。ここで操業を終わりたい」と現状のままが望ましいと指摘。「春・株は10%、残りは夏植え。春・株を30%確保しないと難しい」と述べ、まずは条件整備が必要だとの考えを示した。
砂川専務は「糖度が高いキビほど砂糖がたくさん出る。糖度の高低によらず10万㌧のキビを処理する経費は変わらない」と説明。年内操業については、「宮古の農家対製糖工場だけの問題ではない。いかにして砂糖制度が守られているかが大事だと思う」と述べ、慎重な議論が必要だとの認識を示した。
ただ、「キビの生産量を増やして、工場の稼働率を高めれば年内操業にも期待がある」(砂川専務)、「目に見えて株の管理や整備がされていると分かれば、来年からは取り組まないといけないと思う」(安村社長)と述べるなど、農家の意気込みに工場としても応えていく考えは示した。