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社会・全般
2008年4月6日(日)10:15

荷川取自治会/宇宙の広場もあるよ

荷川取地区は平良港のそばに位置し、漁業が盛ん。国の重要無形文化財に指定されている宮古上布の「里」といわれるほど、昔は盛んに織られていたという。御嶽(うたき)は40カ所以上もあり、豊年や豊漁祈願などの「ニガイ」は年間10以上行われている。歴史と文化を大事にする地域として知られている。人頭税石はあまりにも有名。世帯は約120戸。

 

与那覇秀夫さん(64歳)荷川取クイチャー保存会長 

地域まとめる踊り

与那覇秀夫さん(64歳)荷川取クイチャー保存会長

与那覇秀夫さん(64歳)荷川取クイチャー保存会長

 

荷川取のクイチャーは躍動感が特徴。「跳んだり跳ねたり、それこそ地響きを立てるほどに大地を踏みしめて踊ります」初代会長の故恩河長吉さんから二代目会長を引き継いだ。恩河さんがクイチャーの歌詞を統一、三線を加えたことで、さらににぎやかなクイチャーになったという。「昔から引き継がれてきたクイチャーは、私たちが大事に継承し、さらに発展させていきたい」と決意を示す。クイチャーを地域の文化財と捉える一方、地域の心を一つにまとめる踊りとも考えている。「子どもたちも親から引き継いで踊っており、親子の絆も深まります。なんといっても和を持って、輪になって踊りますから」。クイチャーにかける思いは誰よりも強い。 

 
伊舎堂勇自治会長
「団結力が自慢」 地域の行事、継承発展へ 

伊舎堂勇自治会長

伊舎堂勇自治会長

 

伊舎堂勇自治会長 「老人クラブや婦人会、青年会の活動は活発です」と話すのは自治会長の伊舎堂勇さん。約百二十戸ある自治会のまとめ役として多忙な日々を送っている。
今年三月三十一日付で市消防本部の消防長を定年退職した。「長年、消防職員として務めてこられたのも地域の人たちの支えがあったからこそ」と話す。
もうすぐ開催されるトライアスロン大会のコースの清掃や花植え、海神祭(ハーリー)、敬老会など自治会の主な行事には地域の協力が不可欠だが「団結力だけは自慢できます」
平良のほぼ中心地だが、ドーナツ化現象で少子化が進み、子ども会の活動が休止しているのが寂しいという。
そんな中でも、子どもたちが新学期を元気で迎えられるようにと、昔から継承されている「学事奨励会」を近日中に開催する。
「子どもは地域の宝。学業やスポーツに頑張る子どもたちを励ましながら支えていきたい」 

 
下地さん夫妻
交流の広がりに期待 民宿「にぃぬすまや」オープン

「にぎやかな民宿になれば」と笑顔を見せる重男さんと恵子さん夫妻

「にぎやかな民宿になれば」と笑顔を見せる重男さんと恵子さん夫妻

 

荷川取は「にぃぬすまや」といわれ、旧平良市の発祥地として伝えられている。その由来を名前にして民宿を始めた夫妻が話題になっている。夫妻は、「本土から来る人たちに宮古の良さをたくさんPRしたい。ここから人との交流や情報が広がっていけば」と夢を描いている。 

民宿を始めたのは下地重男さん(64)と恵子さん(59)夫妻。次男の正明さん(31)の「やってみれば」との何げない一言がきっかけだった。
もともと重男さんは、人の世話やおしゃべりが大好きで、「民宿経営は自分に合っているかも」と話す。
最初は屋号の「重三ヤー」を民宿名にしようと思ったが、迷いに迷った末、今の名前に落ち着いたという。
空いていた自宅二階の子ども部屋を夫妻で改造。六畳の個室と十二畳の大部屋にし準備を整えた。
今年三月に始めた民宿は、人頭税石のすぐ後方とあって、口コミで伝わったのかさっそく京都大学の学生四人が宿泊した。 

 重男さんは「若い人たちとの会話は楽しかった。オトーリも回しながら、方言も教え、宮古をたくさんPRしたよ」と笑顔。「学生さんたちから『次に来る時も、ぜひ泊まりに来ます』と言われた時はうれしかった」
民宿そばの畑には、ドラゴンフルーツも栽培。アイガモやウコッケイも飼育しており、宿泊客の興味を引きそうだ。
 重男さんは、りゅうせき宮古支店を定年退職した後も自治会長を務めるなど、今でも地域の中心的な存在だ。
重男さんは、「荷川取のクイチャーの歌詞にもある『んきゃどら すまがまやーまい うぷずまだき』(荷川取は小さな所だが、いろんな人が出入りしにぎやかで大きな地域)のように、この民宿がいろんな人たちとの交流の場になれば」と期待している。
 民宿「にぃぬすまや」は平良荷川取八七、一泊素泊まりで二千円。電話72・4457 

重男さんの手作り看板が目に留まる民宿「にぃぬすまや」=荷川取

重男さんの手作り看板が目に留まる民宿「にぃぬすまや」=荷川取

 

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