協議書、議事録の公開拒否/陸自駐屯地建設計画
「審議会結論前に出せない」/防衛局の取り下げで市長会見
下地敏彦市長は7日、市役所平良庁舎で会見を開き、沖縄防衛局から提出され市地下水審議会と学術部会で審査されていた陸上自衛隊駐屯地建設計画の協議書が取り下げられたことを正式に発表した。市議会が請願書を採択している協議書と地下水審議会議事録の公開については結論が出る前に取り下げられたことを理由の公開できないとの考えを強調した。
会見で下地市長は、2015年12月14日付で市長宛てに協議書が提出されてから、地下水審議会が開催され、審議会から付託を受けた学術部会が審議を行ったが、その後に防衛局から3月30日付で協議書取り下げの申し出があり、4月1日に受理し、提出されていた書類は返却したことを説明した。
事業計画を説明する協議書の公開については「申請者が取り下げ、返してしまった文書を私たちが公開することはできない。権限外」と公開できないものであると主張。地下水審議会の議事録や学術部会の審議結果の公開については「審議会で最終確認を行う前に取り下げられた。学術審議会の決定を取りまとめる作業を行っていたが取り下げを受け中断する形で終わっている」と取り下げにより公開できなくなったとの認識を述べた。
市議会3月定例会で公開を求める請願書が承認されていることについては「審議会で決定すれば公開すると議会でも明確に言っている。決定しなければ公開できない。新しい協議書が提出され、審議会の結論が出れば当然、公表する」と審議会の決定が出るまでは公開できないというスタンスを改めて示した。
地下水源流域に隣接する現在の予定地の変更を市から防衛局へ要請する考えについて問われると「市は出てきたものについて条例で合致しているかどうか判断するだけ。ほかに変更しろという権限はない。地下水への配慮を求める申し入れは当然、行っている」と答えた。
公表されていない学術部会の結論が防衛局に伝えられ今回の取り下げにつながった可能性については全面的に否定した。
今回、防衛局が取り下げた背景については「地下水を守りたいという市民の活動もある。しっかりとした形でなければ自分たちの協議内容が認められないと思い、しっかりとした形にしたいと判断したのではないか」との見解を示した。