行雲流水
2016年4月30日(土)9:01
【行雲流水】(先住民族)
「国連見解『沖縄の人々は先住民族』に自民議員が猛反発」4月27日の産経新聞のデジタル版の見出しだ。産経新聞は宮古島では目につく新聞ではない。全くと言っていいほど読まれることのない新聞でなじみがないが、創刊が昭和8年というからそれなりの歴史がある。資本金30億7千万円余、従業員1890人余の大新聞社だ
▼その新聞が「木原誠二外務副大臣は27日午前の衆院内閣委員会で、国連の人種差別撤廃委員会などが沖縄の人々を『先住民族』とする見解を示していることに対し『事実上の撤回、修正をするよう働きかけを行っていきたい』と述べた」と伝えている
▼沖縄県民であるわれわれの知らない遥か彼方の国連人種差別撤廃委員会がわれわれ沖縄県民を先住民族だと決めつけた理由がわからない。理不尽な見解だと言わざるを得ない。そもそも先住民族とは何ぞや。その定義は文脈によって使い分けられ、人権状況や権利にかかわる際は限定的なものになる
▼「先住民族の権利に関する国際連合宣言」なるものがある。宣言は先住民族の「文化、アイデンティティー、言語、労働、教育その他の問題」についての権利を強調する内容になっていて「彼らに対する差別を禁止し、彼ら自身が目指す経済・社会的開発の継続を促進する」とうたっている
▼国連人種差別撤廃委員会の見解の詳細は知らないが少なくとも県民は先住民族だということになれば日本国の法律、政治、制度が適用されず一般国民とは異なる政治、経済、教育、その他の制度で差別されているということになるばかりか人権状況も悪い、ということになる
▼自民議員でなくても猛反発する。