消費電力の7割超賄う/宮古空港
貨物棟に太陽光発電/蓄電池併設で非常用にも
宮古空港ターミナル(下地義治社長)と宮古島市の共同申請で交付を受けた補助金を活用し宮古空港貨物ターミナルに整備を進めていた独立分散型太陽光発電と蓄電池設備の稼働式が2日に行われた。下地社長や下地敏彦市長ら関係者が稼働スイッチを押し本格運転をスタートさせた。試算では貨物ターミナル区域の年間消費電力量の約76%が賄える量を発電できるほか、災害時には非常用電源として活用する。
今回の事業では、空港ターミナルビル隣にある貨物棟2棟のうち航空会社棟に1時間に83㌔㍗発電できる太陽光パネルと、容量218㌔㍗時の蓄電池を設置。発電電力を蓄電池にためながら、貨物棟の照明や空調用に自家消費するとともに、蓄電池を台風などの災害時の電源として活用する。
試算によると年間発電電力量は9万7000㌔㍗で、貨物ターミナル区域の年間消費電力量12万7000㌔㍗の約76%を賄える計算になる。
総工費は1億4041万円で、新エネルギー導入促進協議会から5692万5000円の補助を受け、残りは借入で対応した。工事は2015年6月から着手し、16年1月に完了。2月から試験運転を行っていた。
稼働式には下地社長、下地市長のほか、日本トランスオーシャン航空貨物上屋課の狩俣昌弘課長、全日空宮古空港所の田知花宏所長や工事関係者らが参加した。下地社長はあいさつの中で「宮古空港貨物棟は宮古島の物流の拠点。電力の安定供給は台風などの災害時に大変重要となる。また宮古島市はエコアイランドを宣言し、官民一体となって自然環境保護に取り組んでいて、当社としても微力ながら宮古島に貢献できれば幸いに思う」と語った。
下地市長は「今回は災害時のエネルギー確保という観点から事業を進めてきた。この設備は台風災害時の非常時に太陽光のエネルギーを活用することで、(貨物棟に集積される)農作物の品質を守り、宮古島の重要な産業を守るという大きな意義を果たすことが期待されている」との考えを示した。
最後に参加者で稼働スイッチを押し、本格運転をスタートさせた。