沖糖「無理」、宮糖は難色/キビ年内操業
各生産組合長の要請に
各地区のさとうきび生産組合などは3日、沖縄製糖と宮古製糖にキビの年内操業を要請した。2期連続で年内操業を行った沖糖は大掛かりな機械設備工事に着手しており、進ちょく状況から「年内は無理」と回答。宮糖は「基本的には年内」と会社の方針を説明しながらも、時期的に低糖度が懸念されるとして難色を示した。
要請は平良、城辺、下地、上野のきび生産組合長とJAおきなわ宮古地区営農振興センターさとうきび対策室長の連名。
要請には各地区の生産組合長らが出席し、「今後一層ハーベスターの利用が増える事が予想される。天候に左右され操業日数が長期化し、キビの品質低下や収量減少への影響が考えられる」として、年内操業を強く求めた。
これに対し宮糖の安村勇社長は「年内操業は宮古製糖の基本」としながらも、基準糖度帯(13・1~14・3度)に達しないと操業開始はできないと主張した。低糖度での農家手取額の試算を示し「農家が丹精込めて育てたキビは1円でも高く買いたい」と強調。現行の価格制度は品質取引を重視していることから、低糖度時期での年内操業に難色を示した。
安村社長はまた、生産者圃場植え付け調査(OCR)が始まったばかりだとし、来期の収穫面積や生産量が現在は見込めない状況だと指摘。その上で年内操業については「原料員を通して、各地区の原料区の意思を反映していく」と述べ、明言を避けた。
沖糖は砂川玄悠専務が対応。「今期の製糖期は体験したことがない長雨で、収穫作業が進まなかった」と述べ、操業終了が4月まで伸びたことを説明した。会社が3年計画で機械設備工事を実施していることも挙げ、「年内操業はどんなことがあっても今年はできない状況」と理解を求めた。
砂川専務は、今後の製糖開始時期について「干ばつや台風など、その年の気象条件を見ながら進めていきたい。気象条件の大きな変化がある中で、年内操業ありきではいかないと思う」と述べた。
さらに砂川専務は「10月に入ると成熟試験を実施する。年末まで行うので、その数字を見ながら操業開始は進めていきたい。最も効果の高い時期に操業をスタートし、その効果を最大限引き出すことによって糖業振興発展は期待できるものと考えている」と話した。