天然記念物のヒナ2羽巣立つ
職員に見守られキンバト営巣/福嶺の施設軒先
城辺新城(福嶺)の小規模多機能型居宅介護事業所の施設軒先で営巣していた、国の天然記念物キンバト(環境省レッドデータブック絶滅危惧ⅠB類)の幼鳥2羽が17日、無事に巣立った。同施設の職員が先月下旬に営巣しているのを見つけた。キンバトは職員や利用者に見守られながら抱卵や子育てをしていた。
親鳥が交代で卵を温め、先月末ごろに、ヒナ2羽が誕生したとみられる。その後も親鳥の給餌や保護でヒナは順調に育ち、17日に巣立った。
同施設介護支援専門員の荷川取智美さんは「毎日、営巣の様子をそっと見て『親が見えないね』『帰ってきた』などと、利用者や職員がその日のキンバトの話をするのが日課になっていた。無事に巣立ったのはホッとしたけれど、少し寂しい。来年も来てくれると良いねと、みんな楽しみにしている」と話した。
キンバトは宮古島には一年中生息する留鳥。1999年6月に宮古島での繁殖が初めて確認され、宮古島が繁殖地の北限となった。
キンバト(ハト科)は全長約25㌢。成鳥の雄は頭頂から首の後ろにかけて青灰色で、額から目の上にかけては白い。上面は金属光沢のある美しい緑色。雌は頭から首、胸など全体的に褐色で肩の白斑はない。くちばしと脚は赤色。
絶滅危惧ⅠB類 近い将来における絶滅の危険性が高い種。