飲酒運転事故の悲惨さ訴える
被害者遺族の立場で講話/伊良部高校
伊良部高校(菅間季昌校長)で6日、県警察本部委嘱の飲酒運転根絶アドバイザーの玉城愛さんを講師に招き、「飲酒運転事故による被害者遺族の立場から」と題して交通安全講話が行われた。玉城さんの一番年下の弟(当時高校2年)が2001年に交通事故で死亡した。講話では「飲酒運転による交通死亡事故は加害者も被害者もつらい人生を送ることになるので、被害者も加害者もどんなにつらい思いをしている人がいるかもしれないことに思いをはせ、両親や親戚などが飲酒運転をするようなことがないよう、しっかりと皆さんで声を掛けてほしい」と生徒たちに呼び掛けた。
玉城さんは2001年3月に、5人きょうだいの末っ子が、飲酒運転の軽自動車に追突され即死したときの状況、その後の遺族の生活などを時に声を詰まらせながら語った。加害者は飲酒運転で無免許だった。
「自分は知らせを聞いたときに、『まさか自分の弟が。信じられない、信じたくない』という気持ちが強く、弟が安置されていた病院の霊安室の扉を開けることもできなかった」
事故後、母親は食事ものどを通らず、次第にやせ、家庭も暗い雰囲気の日々が続いたと当時を涙ながらに振り返った。また、飲酒運転で死亡事故を起こした20代女性の手記で、加害者もつらい生活を強いられることなどを紹介した。
講話後、全校生徒65人を代表して、生活安全専門委員長の宮国琴畝君(2年)が「改めて怖さを認識した。きょう学んだことを心に留め、交通安全に気を付けて、日々の生活に役立てていきたい」とお礼の言葉を述べた。