農家、かん水見合わせる/台風1号接近
降雨も干ばつ傾向解消に至らず
少雨傾向でサトウキビへのかん水が予定されていたが、見合わせる農家が相次いでいる。市は、台風1号が接近し、各地に雨をもたらしたことを理由に上げている。ただ、干ばつ傾向の解消には至っていないと見ており、引き続きかん水の申込受付を実施する。
宮古島地方は6月16日以降、平年に比べて降雨の少ない状況が続き、気象台は6月30日に「長期間の高温と少雨に関する気象情報」を発表して、農作物の管理などに注意を呼び掛けていた。
1日に行われた干ばつ対策会議では、サトウキビなど農産物への被害が懸念されることから、7日にもかん水を実施する予定だった。
市農政課によると、かん水を申し込んだ農家は8日までに92件あったが、取り下げている農家も数件いるという。宮古地区トラック事業協同組合では「農家から、かん水してほしいとの要望がないため行っていない」と話している。
宮古島地方気象台によると、台風1号の影響による各観測地での降水量(6日午前0時~8日午前11時)は▽平良下里23・5㍉▽平良鏡原(宮古空港)14・0㍉▽城辺新城19・0㍉▽下地島10・5㍉▽多良間仲筋(多良間空港)16・5㍉-だった。
週間天気(9~15日)予報では、宮古島地方は台風1号や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多いと見込まれている。
市では「期待したほどの雨は降らなかったが、農家はしばらく様子見ということではないか」と話している。
かん水費用は大型トラック1台当たり3900円。市が2000円を補助し、農家負担額は水代(400円)を含めて1900円。
多良間村は約30件の農家がかん水を申し込んだ。5、6日にはその半分の畑にかん水を実施したが、台風接近後は実施していない。