市、接種費用を助成へ/子宮頸がん予防ワクチン
中学生対象、来年度から実施
厚生労働省が子宮頸がんの予防対策として、2011年度予算の概算要求に150億円を計上したことを受け、宮古島市でも来年度から中学生を対象にワクチン接種費用について助成する方針で作業を進めている。同省は10代の女子中高生のワクチン接種費用を助成する市町村に対し、その3分の1を補助。宮古島市では残り3分の2を公費助成するか、負担にならない程度での利用者の低額負担も検討している。
市福祉保健部健康増進課によると、助成の対象は中学生で、同課では何学年を対象にするのか財政課と調整を行うとしている。
中学1年生のみを対象とした場合は、対象者は約300人で予算額は1278万円(90%接種を想定)。1、2年生の場合は対象約600人で予算額は2550万円(同)、中学生すべてを対象にした場合は約900人で予算額は3835万円となっている。このうち、3分の1は国が負担する。
接種費用の助成について、下地敏彦市長は「予算措置はする。できるだけ多くの対象者が接種しやすい環境を整えたいと考えている。助成対象や利用者負担については今後担当課と調整していきたい」と述べた。
ワクチンの接種費用は、1回当たり1万5782円(国の基準額)で、それを3回接種し、合計は4万7346円と高額となる。接種費用の助成について、県福祉保健部医務課は「県としては国が今年度の補正予算で国2分の1、市町村が2分の1とする内容での措置を検討しているので、まずはその状況を見守りたい。新年度における予算措置については今後、検討する予定」と説明した。
子宮頸がんは、唯一ワクチン接種により予防が可能ながんで、日本では、昨年末に予防のためのワクチンが接種可能となった。
しかし、費用が高額なことから接種率が低く、公費による補助が求められていた。
子宮頸がん 子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできるがんで、20~30代の女性がかかるがんで最も多く、20年ほど前から急増。性交渉によって、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染により、発症する。
国内では年間約9000人が発症し、約2500人が死亡している。
ワクチン接種は、性行為を経験する前の11~14歳が最も効果的とされている。
予防ワクチンは、海外ではすでに100カ国以上で使用されており、日本では昨年10月に承認され、昨年末から一般の医療機関で接種することができるようになった。
予防ワクチンの接種回数は合計3回。接種時期は初回接種後、1カ月後に2回目を、6カ月後に3回目を接種する。