行雲流水
2016年7月12日(火)9:01
【行雲流水】「七夕まつり」
働き者の牽牛(けんぎゅう)と織姫はめでたく結婚するが、仕事を忘れて遊んでばかりいたので、天帝は二人を天の川をはさんで引き離す。しかし二人の思いが強いので、年に一度7月7日に逢瀬を許した
▼牽牛はわし座のα星で、織姫は琴座のα星である。7月7日の晩、酒を酌み交わし、二つの星を眺めながら、この伝説をしのんで詩文を作るのが唐代中国文人の風雅であったという
▼七夕祭りといえば仙台の七夕祭りが有名で、駅や商店街など市内各地至るところで飾りつけがなされる。このまつりの盛衰は時代の反映でもある。1783(天明3)年には、天明の大飢饉発生による荒廃した世俗の世直しを目的に藩が力を注いでいるし、第1次大戦後は衰退し、現在は東北三大まつりのひとつに数えられている
▼ここ宮古でも、幼稚園や小学校で笹(竹)に飾りつけをして、子どもたちの決意や願いなどを書いた短冊がつるされていた
▼市立図書館の玄関の飾りの短冊には職員の言葉があった。「すてきな本に出会いますように」、「図書館の本で笑顔になりますように」。児童閲覧室の中央の飾りは、織姫の織り糸を象徴する「吹き流し」や「きらめく星形の飾り」などで美しく、五色の短冊には、子どもたちの夢が書かれていた。「サッカーの選手になりたい」、「家族みんなの健康を祈る」、「世界じゅうが平和でありますように」
▼想像で、広大な銀河に身を置き、豊かに感じ、深く思うことはすてきなことである。♪、「五色の短冊/わたしが書いた/お星さまきらきら/空から見てる」