あす海底掘削工事開始へ/海中公園
「可能なサンゴ、すべて移植」/市長が現場視察し確認
狩俣地区で行われている海中公園建設工事に伴い実施されたサンゴ礁の移植状況を確認するため、下地敏彦市長は2日朝、シュノーケリングで現場視察を行った。視察後、下地市長は「移植できるサンゴはすべて移されている」として、「1500群体は移植可能」と主張する市民団体の訴えを認めず、海底掘削工事にゴーサインを出した。きょう3日までに汚濁防止フェンスを設置し、あす4日から掘削作業に着手する。
現場海域に午前9時すぎ、大浦漁港から船で訪れた下地市長は、海中公園プロジェクト室の仲間利夫室長と、観察施設が設置されるエリアで約7分間シュノーケリングを行い、移植状況を確認した。
漁港に戻った下地市長はマスコミの取材に対し「観察施設を設置するための彫り込みを行う部分ではテーブルサンゴ類はきれいに移植されていて、残っているのは脳サンゴと呼ばれる移植が難しいものや小さなサンゴばかりだった」と移植可能なサンゴはすべて移されているとの認識を示した。
「海中公園を市民監視する会」の猪澤也寸志代表が「1500群体以上のサンゴが採補できる」として追加移植するよう要請していることに関しては「脳サンゴのような岩にへばりついて取ることが難しいものをいってるのではないか」との考えを示した上で「すべてのサンゴを移植すべきという理屈は分かるが、実際に工期や工法を考えると最大限の努力をしている」との思いを述べた。
これに対し猪澤代表は「テーブル状の採補できるサンゴは㌢以上で約1500、㌢以上も1000群体はある」と語る。市長の視察後、猪澤氏も同海域を調査したところ、観察施設東側壁が設置される予定のエリアなどで多数のテーブル状のサンゴを確認したという。「沖縄の海での工事はサンゴをそのまま埋めるのが当たり前になっている。エコアイランドの宮古島から、サンゴは移植してから工事するという前例を作ってほしい」と訴えた。