五穀豊穣を祈願/平良西原
盛大にフッビューイ
平良西原のナナムイ行事の一つ「フッビューイ」が21日、ウハルズ御嶽やナイカニ御嶽で行われた。ツカサやナナムイ(満48歳から55歳)の男が、御嶽に神酒を捧げながら五穀豊穣と無病息災を祈願した。ナイカニ御嶽周辺には地域の男性住民が集まり、酒を酌み交わしながら西原地域のさらなる発展を共に願った。
フッビューイは粟の収穫祭の意。収穫した粟で神酒をつくり(現在は米)、豊作祈願と住民の健康を祈る行事だ。代々のナナムイが受け継いできた。
ナナムイの1年生は午前4時30分に集合し、ツカサや字長らをウハルズ御嶽で迎えた。同御嶽での祈りを終えたナナムイはナイカニ御嶽に移動し、円座を組んでツカサを待った。
この間、山村日出男字長は「ウハルズ御嶽でしっかり願った。健康一番、心の美しさも一番。これからも健康で豊作が続くよう祈りを捧げよう」と話した。
西原みどり会の仲間忠会長は「こうしてみんなが集まれるフッビューイは本当に素晴らしい。ここまで継承してきた伝統行事を、これからも守っていこう」と参加者に呼び掛けた。
約50人のナナムイを代表してあいさつした楚南雅春さんは「この伝統行事に参加できることは私たちの喜びだ」と胸を張った。「西原が発展していくように字長と心を一つにして願っていきたい」と流ちょうな方言で決意を語った。
午前11時ごろにツカサが到着。ナナムイの男性は立ち上がって拍手を送り、御嶽の奥へ誘った。ナナムイは御嶽の周辺で、地域の男性は道路の脇に座り、ツカサとともに豊作と健康を願う祈りを捧げ続けた。