15年は最多4件発生/ツツガ虫病
今年すでに3件、予防対策を
宮古保健所がこのほどまとめた「管内のツツガ虫病」の発生状況では、2015年の発生件数が過去最多の4件となり、再感染例もあったことが報告されている。
同所では、これまで発生がなかった月(4、11、12)にも発生があり、期間が広がったことも指摘しながら、ツツガ虫病に対するより深い知識(予防策)の普及を訴えている。
ツツガ虫病は、山野や畑、草むらなどに入り病原体を保有するツツガムシ(ダニ)に刺され感染する。
人から人への感染はない。潜伏期は5~14日で、症状としては38度以上の高熱、リンパ節腫脹(しゅちょう)、発疹(はっしん)などが現れる。
同所管内におけるツツガ虫病の患者発生件数は、08年、10年が1件、11年が2件、13年が1件で14年が2件と、発生しても年間1~2件程度だったが15年は一気に増えて4件となり、今年も5月の1カ月間だけですでに3件発生している。
08年から今年まで同所管内の発生件数は14件。発生件数は5、6月が最も多いが、10~12月にかけても発生が確認されている。
また、ツツガ虫病については終生免疫は得られないとして、昨年は宮古でも再感染例があったことが報告されている。
免疫について同所では「得られた免疫はつかの間で、さまざまな型に対する交差反応性は低い。人において、同型に対する免疫は最大3・5年続くが、他型に対する免疫は2~3カ月しか続かない」と説明した。
保健所では予防法として、畑や草むらに入るときには肌の出る部分をできるだけ少なくする(長袖、長ズボン、手袋など着用)▽作業中に脱いだ上着やタオル、帽子などを草の上に放置しない▽むやみに地面に寝ころんだり座り込んだりせず、敷物を使用する▽帰宅したら入浴し、新しい服に着替える▽脱いだ衣服は速やかに洗濯する-などを呼び掛けている。
また、そうした予防策を高じても完全に防ぐのは難しく、さらに効果的な抗生物質もあることから、畑や草むらに入った後、突然の発熱、発疹(はっしん)、特徴的な刺し口が現れた場合はすぐに病院を受診し、早期発見と早期治療の大切さを訴えた。