牛のヘルパー事業が好調/受託料は2000万円超
15年度事業実績 農家の高齢化を反映
肉用牛の飼養管理や競り市場への輸送業務などを請け負うヘルパー事業が好調だ。宮古和牛ヘルパー利用組合がまとめた2015年度事業実績(飼料生産ヘルパー除く)によると、受託頭数は前年度比17・3%増の1万3142頭で、受託料金は557万円増の2533万円だった。生産農家の高齢化に伴う労働力不足をヘルパーで補う作業形態を反映している。
ヘルパー事業は、飼養管理、市場、削蹄、飼料生産の四つに分類される。それぞれ利用料金の半分を国が補助する仕組みだ。生産農家の高齢者と事業の周知によって、利用率は右肩上がりで推移している。
冠婚葬祭などで島外に出なければならないときに利用される飼養管理の受託頭数は5194頭だった。受託料金は243万3400円で頭数、金額ともに前年度並みの実績となった。
市場ヘルパーは2717頭を受託した。受託料金は703万8000円で、前年度と比較して38万3000円増えている。
削蹄は大幅に伸びた。前年度の受託頭数3456頭に対し、15年度は5231頭(51・4%増)と急増している。受託料金は1586万5400円だった。
削蹄が伸びた要因は、JA宮古地区畜産振興センターや宮古和牛改良組合の取り組みが挙げられる。競り上場マナーを向上させるため、両団体が削蹄の実施を強力に推し進めた。
畜産振興センターの砂川辰夫センター長は「伸びているが、まだまだだ。削蹄100%を目指して今後も取り組む」と強調した。
15年度実績を踏まえ、宮古和牛ヘルパー利用組合の島尻誠組合長は「農家の高齢化が利用実績を伸ばしている要因だと思う。利用しやすいシステムも支持されている」と話した。
ヘルパー事業の利用料金は16年度から改定されている。飼養管理は1日5000円(16頭以下の基本管理料金)で、頭数割りは1頭300円。市場ヘルパーの料金に変動はないが、補助対象牛が子牛か、妊娠牛に限定される。削蹄は子牛3000円、成牛3500円にそれぞれ改定された。