豊かな資源を再認識/パヤオの日まつり
10周年を記念、盛大に/マグロ解体や一本釣り体験
「パヤオの日まつり」が13日、佐良浜漁港内で行われた。マグロの解体ショーやカツオ一本釣り体験、モズクのつかみ取りなど漁師町ならではのイベントで会場は大にぎわい。たくさんの市民や観光客が豊かな海の資源を再認識した。
この祭りは、宮古地区パヤオ管理運営委員会が主催した。パヤオ設置によってもたらされた恵みに感謝する祭りで、今年イベント周年の節目を迎えた。
開会セレモニーで同委員会の漢那一浩会長は「今年は10周年の節目でいろいろなイベントを準備した。皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしたい」と述べて多くの来場者を歓迎した。
続いて来賓の下地敏彦市長が「パヤオ設置によってカツオやマグロ漁は大きく飛躍し、地域の中核的な漁業として定着した」とパヤオの効果を強調した。その上で「この祭りを通してパヤオ漁業が地域振興に果たす役割を再認識しよう」と呼び掛けた。
祭りの開会宣言はマグロの取り上げで行われた。漢那会長や下地市長らが重さ㌔のマグロを取り上げると、海の恵みを享受する各種イベントが始まった。
はじめに、参加者全員でタマンの稚魚2000尾を放流した。バケツに入った稚魚を岸壁から大切そうに流し、それぞれ資源豊かな海づくりに貢献した。
子どもたちはモズクのつかみ取りやカツオ一本釣り体験に夢中だった。モズクをすくったり、カツオを釣り上げたりして満面の笑みを見せていた。
マグロの解体ショー会場には、黒山の人だかりができた。見物客は豪快にさばかれていくマグロにくぎ付け。「おー、すごい」などと声を上げていた。
会場一角に設けられた伊良部島の特産品コーナーにも長蛇の列ができ、祭りは最後まで大盛況だった。
カツオ一本釣りを体験した小林大河君(7)は「すごく重かった」と言いながらも笑顔いっぱい。「良い思い出になった。もらったカツオを早く食べたい」と充実した表情だった。
パヤオは、カツオやマグロなどの回遊魚が流木などに集まる習性を利用した浮き魚礁。1982年、宮古近海に日本で初めてのパヤオが設置された。