日中書家の作品22点展示/19日から特別記念展
主催者 「書の魅力に触れて」/全宮古書道展
近代日本の書に大きな影響を与えた時代の書を展示、紹介する特別記念展が19日から市中央公民館で開催される。この記念展は全宮古書道展(主催・書心会、宮古毎日新聞社)の35回目の節目を記念して行われる。テーマは「中国・清朝後期から近代日本の書へ」で、清時代後期から明治後期ごろまでに活躍した日本と中国の書家の作品22点が展示される。
書心会の古堅宗和会長は「今回は、時代の変遷の中における日本の書の流れをテーマにしている。日本の書に大きな影響を与えた楊守敬などの作品が展示されるほか、当日は滋賀県の書道博物館から専門学芸員も訪れて会場で説明するのでぜひ、この機会に書の魅力に触れてほしい」と呼び掛けた。
日本の書は、江戸幕府が倒れた後、明治政府となったことでこれまでの「御家流(和様)」が次第に「唐様」へ流れが変わった。
その中で、1880年に清国駐日公使何如璋の招きで、楊守敬が漢魏六朝の碑帖1万3000点を携えて来日する。
楊守敬は、4年間の滞在期間中に日下部鳴鶴などの書家と書法問答を通し、多くの影響を与えた。これにより、唐様の書においても六朝書法が流行し、多くの日本人書家の渡清が相次いだ。
今回の特別展は、近代日本の書を考える上で重要な「明治時代」に焦点をあて、中国から影響受けながらも独自の書流を築いていった流れについて、その時代を代表する中国と日本の書家の肉筆作品を「日本習字教育財団」の協力を得て開催する。
展示されるのは、書道博物館観峰館所蔵の作品で、中国人が9人(16点)。日本人6人(6点)の合計22点となっている。
展示される作品の中には、「幕末の三筆」の1人・市河米庵、「幕末の三舟」の1人・山岡鉄舟、「明治の三筆」の日下部鳴鶴、 巌谷一六、中林梧竹の作品も含まれている。
この特別展は、第35回全宮古書道展が開催される市中央公民館で19~21日までの3日間行われる。時間は午前10時~午後6時までで、最終日のみ午後5時までとなっている。