ヘリの騒音被害を訴え/野原部落会
陸自配備で市議会と意見交換
航空自衛隊宮古島分屯基地がある上野野原部落会(島尻信徳会長)の役員と市議会の総務財政委員会(嵩原弘委員長)との意見交換会が18日、同部落公民館で行われた。同部落会が提出した陳情書「千代田カントリーゴルフ場への陸上自衛隊配備計画の撤回を求める要請」が同委員会に付託されたが継続審査となっていることを受けたもので、出席した役員は、分屯基地に離発着する大型輸送ヘリコプターによる騒音などの「基地被害」が改善されていないことを指摘。「市や防衛局にたびたび要請したが、一向に改善されない。千代田には全ての施設も認めない」と述べ、関係機関が要請に応えてくれないことや、配備計画への説明がないことへの不信感を募らせた。同委員会は意見交換会の内容を踏まえ、19日に同陳情書を採択するかどうか審査する。
同部落会は基地被害の改善を図るため、2008年4月に「対策委員会」を設置。これまでに、県選出の国会議員や下地敏彦市長、沖縄防衛局長などに要請している。
今年3月には「千代田への陸自配備計画の反対決議」を全会一致で決議。同4月には、下地市長と棚原芳樹議長に計画の撤回を要請した。
出席した役員からは「(自衛隊基地は)国防という認識はあるが、なぜ、千代田でなければならないのか。具体的に納得できるような説明がない」「基地が造られたら未来永劫、基地との共生を強いられる。子々孫々まで犠牲にならなければならないのは疑問だ」などと訴えた。
委員から「(陳情書は)騒音被害の軽減を求めていると思っていたが、配備計画そのものに反対するということか」「仮に宿舎だけを建設するとした場合はどうか」との質問には「市や防衛局はわれわれの要請に聞く耳を持たないという不信感が根っこにある。今となっては全ての施設に反対である」と述べた。
騒音問題については「ヘリの飛行ルートは野原部落だけでなく多くの自治会が関わっている。千代田に配備されると、さらに多くの自治会が被害を被る可能性がある」との声も上がった。
意見交換後、嵩原委員長はマスコミのインタビューに「地元の人たちが日ごろの生活の中で、被害を受けていることを実際に聞くことができた。提出された陳情書の内容について慎重に審査する」と話した。