養豚産業改革に着手/エコブランド推進協設立
地域課題を科学的に検証
養豚産業の再構築を図る宮古地域養豚エコブランド推進協議会の設立総会が29日午後、県宮古家畜保健衛生所で開かれた。宮古地区で受け継がれてきた食品残さを飼料として活用するエコフィード養豚を科学的に検証・分析し、宮古エコブランド豚と高収益型養豚経営の確立を目指す。
宮古地区の養豚業は生産規模の縮小が急激に進んでいる。家畜保健衛生所によると、現在の飼育頭数は約700頭で、1989年の5229頭と比べると4500頭以上も減少した。
農家の廃業も進み、生産戸数は89年の52戸から11戸まで落ち込んでいる。
こういった現状を踏まえて家畜保健衛生所など関係団体が養豚業再生に向けた事業を模索。宮古地区で培われてきたエコフィード養豚に着目し、飼料自給率の向上を図る取り組みを推奨している農林水産省の事業導入にこぎ着けた。
昨年7月から家畜保健衛生所が主体となって準備を進め、今年3月には推進協議会を発足させて設立総会の準備を進めてきた。
総会には推進協議会を構成する県、市、JA、農業共済、食肉業者、養豚業者らが出席し、事業計画や予算について話し合った。
事業の柱には、食品残さを活用しながら増体を図るエコフィード飼養衛生管理技術の構築と子豚の死亡率低下を据えた。地域の食品残さを活用する従来の養豚を継承しつつ、科学的な検証・分析を加えて飼料の栄養価を高める技術を確立し養豚業を進化させる。
具体的には、食品残さを種類別に分析したり、豚に与える残さの割合別に繁殖成績を検証したりする。同じように発育試験や畜検査成績の検証も行う。
予算は238万円で、農水省からの補助金を収入に当てた。支出項目では検討会費に101万円、先進地域調査に28万円、実証試験に108万円を組んだ。
協議会長に就任した宮古食肉センターの下地義次専務は「総会を通して、宮古の養豚を盛り上げていきたいという熱意を感じた。共に頑張ろう」と述べた。
役員は次の通り。
会長=下地義次(宮古食肉センター専務)▽委員=盛島則一(市畜産課補佐)、久貝富司(市畜産課畜産担当)▽顧問=友利勝彦(市畜産課長)▽書記会計=長崎倫世(宮古家畜保健衛生所養豚担当)