民生・児童委確保困難に/宮古島市
年末改選で過去最低も/向上に向け県と意見交換
宮古島市の民生委員・児童委員の確保が厳しい状況となっている。現在の定員に対する充足率は97・6%と県内11市の中でも高い方だが、12月1日に行われる3年に1度の一斉改選では一気に落ち込み82%を見込んでいる。8月31日には県の担当者と下地敏彦市長、市の担当職員が意見交換を行い、地域福祉の担い手確保に向けて課題と今後の取り組み方針について確認した。
民生委員・児童委員とは、厚生労働大臣から委嘱を受け、社会福祉を推進するために活動するボランティア。一定の区域を担当し、支援が必要な人々に対して福祉サービス等の情報提供を行うとともに、各種活動に参加しながら相談、支援活動を行っている。
県側の説明では、沖縄では現在2100人余の民生委員・児童委員が相談支援活動を行っているが全国と比べてその充足率は低い状況で、年末の一斉改選時には520人余の辞任が予想され、さらに充足率が落ち込むと予想している。
県では、充足率向上に向け現在、県内11市と欠員見込みが15人以上となる町村を訪問して意見交換を行っている。
宮古島市の同委員の現状は、定員124人に対して121人(充足率97・6%)となっている。
しかし、121人のうち12月の改選時に継続を希望しているのは89人。希望していないのが32人となっている。
希望しないとする32人のうち、後任未定が21人でこのままの状況が続けば、12月の改選時では22人の欠員を見込み、充足率は82%にまで落ち込むと予想している。
市福祉調整課では「このままでは過去最低の充足率になってしまう。なかなかなり手がいない中で、誰でもなれるというものでもないので難しい」と頭を抱える。
なり手が確保できない理由としては、人間関係の希薄化が進む中でその役割の重要性が増し、負担が増加しているほか、発生する問題が複雑化、深刻化しているためその責任が重くなっていることなどを挙げた。
なり手の確保に向けては、各自治会、自治体退職者に協力を依頼する▽行政連絡員に協力を要請する-を掲げている。
民生委員・児童委員の確保について下地市長は「厳しい状況だが確保に向けて一生懸命努力するしかない」と述べた。
沖縄では3年に1度の一斉改選直後は特に充足率が低くなる傾向があり、2013年度の改選時には前年度末現在の90・7%から83・7%に下落した。
県の今年7月時点における調査では、今年12月1日の改選時点における充足率は、さらに落ち込んで77・0%を見込んでいる。