行雲流水
2016年9月13日(火)9:01
【行雲流水】「新社屋落成」
宮古毎日新聞社の新社屋が落成、9月8日、記念式典と祝賀会が新社屋で盛大に挙行された。会では、各界からの来賓が祝辞を述べ、新社屋を拠点に、正確、公平に情報を提供し、住民の声を紙面に正しく反映するとともにオピニオン・リーダーとして、住民に信頼され、愛される新聞をめざして発展するよう、激励がなされた
▼本紙は、戦後復興への住民の意欲を象徴する三大事業(電気、水道、港湾)が完成した1955(昭和30)年に真栄城徳松氏によって創刊され、今年で61年目を迎える。その間、激動する社会の荒波を住民とともに乗り越えてきた
▼発刊間もない1959年から数年の間に「コラ台風」など、相次ぐ台風の猛威に住民は苦しめられた。停電や断水、電話不通の中で、本紙は貴重な情報を提供し、人心の安定に寄与した。(『宮古毎日新聞50年史』)。27年に及ぶ米軍による統治があり、県民悲願の祖国復帰が実現した。社会の本土化が進み、今なお続く基地の重圧があり、経済自立など、課題は山積している
▼本紙が、地域の団体や個人の活動を励まし、伝統行事を奨励し、独自の文化行事を主催して、住み良い地域形成に尽力されていることは高く評価されている
▼ジャーナリズムには本来、報道に「真実性」が、論評には「批判性」が求められる。従って権力、圧力からの自由が不可欠である。市民は、このことを理解し、協力すべきである▼本紙が「郷土色豊かに、確かな視点」をもって紙面を充実、健全な社会の発展に寄与するよう、期待したい。