新庁舎建設へ前進/市議会総務財政委
関連予算を可決/可否同数、委員長裁決で
市議会の総務財政委員会(嵩原弘委員長)は14日の委員会で、総合庁舎建設へ向けた「基本構想・基本計画策定業務委託料」2400万円が盛り込まれた一般会計補正予算を原案通り可決した。採決では4対4の可否同数だったが、嵩原委員長が「可決すべき」と判断。委員長裁決で決着した。同予算が可決されたことで、新庁舎建設に向け大きく前進した形だ。
同予算を「削除すべき」と主張した委員は、合併特例債の活用期間が間近になった時点での提案に「行政の怠慢を議会に押し付けている」と批判。賛成に回った与党の委員からも、「6月議会で全会一致で否決してから、状況は何も変わっていない」などと本音を明かすなど、市当局の計画の進め方に疑念を噴出させた。
新庁舎建設の関連予算をめぐっては、与野党を問わず「建設するか、しないか。まずは市民の意見を聞くべきだ」と述べ「建設ありき」に異議を唱えた。このため市は、各地区で市民説明会を開催した。
委員会の討論で、新里聡氏は、市民説明会は地域づくり協を中心としたメンバーが大半だったと指摘。「市から補助金を受けている組織で、中には市職員もいる」と述べ、「説明会は(開催したという)アリバイづくりだ」と話した。
國仲昌二氏は「説明会に参加したのは、人口の1%にも満たない人数だった。徹底的に議論したとして予算を提案しているのか」と述べた。
前里光恵氏は「民意を反映して建設するなら分かるが、最初から建設ありきでは納得できない」、新城元吉氏は「庁舎建設は基金を積み立てて行うべき。(期限が迫っている)合併特例債は別に活用すべき」とそれぞれ予算の削除を求めた。
これに対し与党などの委員からは「庁舎建設の資料作りとして必要」「市民の議論を巻き起こす価値がある」「基本計画策定委を立ち上げて、並行して既存建物の利活用などを模索する」などと予算計上に理解を求めた。
ただ、「市民説明会の運営の正当性に疑念がある」「債務負担行為としての予算計上は姑息(こそく)だ」などと市当局を批判する声も上がった。
「市総合庁舎整備事業基本構想・基本計画策定業務委託料」が盛り込まれた一般会計補正予算は28日の最終本会議で採決が図られる。