島言葉の普及、継承確認/しまくとぅば大会
最高齢の来間さん開会宣言
【那覇支社】各地域のしまくとぅばで意見を発表する「第22回しまくとぅば語やびら大会」(主催・県文化協会)が18日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター劇場棟で行われ、全出場者の中で最高齢となる宮古地区代表の来間トミさん(90)と最年少の宮里茉莉さん(西原町坂田小2年)の2人が、それぞれのしまくとぅばで開会宣言を高らかに読み上げた。
来間さんは多良間村出身で、現在は豊見城市与根に在住。宮古島市文化協会が6月に開催した「第23回鳴りとぅゆんみゃーく方言大会」で最高位の市長賞を受賞した。
舞台では「んけーぬ嶺間按司ガナスぬ話」と題して、幼少のころに祖父や祖母から聞いた昔話を基に話しを進めた。多良間島で言い伝えられてきた嶺間按司ガナスの格言を紹介し、「『気が立てば手を引き、手が出れば気を引け』の格言を教訓として肝に銘じ、子や孫に語り継いできた」と語った。90歳とは思えない身振り手振りを交えた演技に加えて、抑揚をつけた多良間フツを全開し、会場に集まった観客は笑顔を見せながら、熱心に聴き入っていた。
発表を終え、来間さんは「ほっとした。緊張で足ががたがたしたが、会場から拍手をいっぱいもらいうれしかった。自分の気持ちや思っていることを話せて、すっきりした。これからも仲の良い仲間と、方言で話しながら遊びたい」と満足そうに話した。
今大会には県内各地の代表として、小学生から高齢者まで23組30人が登壇。それぞれの地域の方言で家族や身近な話題、学校生活などを表現豊かに披露した。
同日午前、同じ会場で開かれた県主催の第4回しまくとぅば県民大会では、「しまくとぅばの普及・継承」県民宣言を掲げ、▽日常生活で積極的に使うよう心掛ける▽各地域で受け継がれたきた「しまくとぅば」を大切にし、地域の伝統文化などを継承していくーなど5項目を活動方針にして、県民一丸となって取り組むことを確認した。
県は各地域の島言葉に関心と理解を深め、次世代への継承を目的に2006年に9月18日を「しまくとぅばの日」に制定した。