E3事業継続を断念/市議会一般質問2日目
友利部長が答弁で表明
宮古島市は、2014年から一般販売が行われてきたガソリンに3%のバイオエタノールを混合させたE3ガソリンの事業継続を断念し、販売終了を決定していたことが21日、市議会9月定例会一般質問2日目の粟国恒広氏の質問に対する友利克企画政策部長の答弁で明らかになった。
バイオエタノールは原料である植物が成長過程で二酸化炭素を吸収することから、自動車燃料として使用した場合も二酸化炭素排出量はゼロと見なされる。市では04年度から島内産サトウキビの搾りかすを原料として作ったE3の実証実験を開始。12年度からは国の施設だったバイオエタノール製造施設を無償で譲り受け、日本アルコール産業を同施設の指定管理者としてバイオエタノールの事業化を目指してきた。
14年5月からは宮古給油所が「E3宮古給油所」を開設し一般販売を開始。しかし、バイオエタノールを混合させるガソリンの精製、販売を行ってきた南西石油が今年3月末で事業から撤退したことから、4月下旬からE3の販売も停止し、南西石油の事業を引き継ぐ企業が現れるまでの措置としてレギュラーガソリンを販売していた。
そんな中、E3普及支援を行ってきた環境省が8月18日、「沖縄バイオ燃料事業推進協議会」で事業廃止を表明したことから、市でも事業継続を断念した。その決定を受け、「E3宮古給油所」は名称を「宮古第一給油所」に改称。現在は看板の塗り替えや設備を変更する工事を行っている。
一般質問での粟国氏への答弁で友利部長は販売を終了することになった経緯を述べるとともに、今後はガソリンと混合させない100%バイオエタノールのE100をボイラーの燃料として学校給食調理場で利活用することを検討していると説明した。