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行雲流水
2016年9月27日(火)9:01

【行雲流水】(花火)

 「希望の花」、「四季の彩」、「夢幻の世界」、「神々の楽園」など、これは花火の美しさ、創造性を競う全国花火競技大会(大曲大会)で打ち上げられた花火の愛称である。同心円状に波打ち広がりつつ彩色を変化させるもの、垂直にスーッと上昇して消えていくものなど、形も色も多彩で、花火師たちの創造したまさに美の競演である

▼合わせて奏でられる音楽で、印象はさらに深くなる。オープニングには「美しき青きドナウ」が奏でられ、愛称「夜空に星明かり」には坂本九の「見上げてごらん夜の星を」が奏でられた。7分間にわたって華麗に打ち上げられる「大会提供」花火の時にはベートーベンの第九交響曲(歓喜に寄す)が演奏された

▼会場になった秋田県大曲町には全国から80万人のファンが駆けつけ、その模様はテレビで放映された

▼「いきものがかり」に歌がある。煌めいて揺らめいてあおき夢舞い放つ/咲き誇れ遥か高く/守りゆくその想い、ひたすら鳴り響け/果てるまでせめて強く/此の花燃えゆく

▼人間は理想として普遍的価値を持つ「真」と「善」と「美」を求める。たとえば、「核戦争をなくすという目標は他のいかなる目標にも優先されなければならない」と宣言で述べた世紀の知性・アインシュタインは同時に、松島の月の美しさに魅せられて、長い時間動かなかったという。花火協会の役員は語っていた。「横向きに何かをねらうのではなく、真上の空を美しく彩る花火は平和の象徴である」

▼花火よ、高く美しく花開いて、人の世を明るく照らせ!

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