「入札辞退届」で新たな問題/観光プロモ事業
提出業者「出してない」
2014年度に一括交付金(3700万円)を活用して「お台場新大陸2014」に、宮古島のブースを設置した観光プロモーション事業について1日までに新たな問題が浮上した。市に提出されたとされる2業者からの手書きの「入札に伴う見積提出辞退届」について、2業者の代表は本紙の取材に「辞退届の存在すら知らない」としている。しかし、市側には手書きの住所と社名、代表者名とさらに社判も押印された2通の届出書が存在している。
同事業を受注したのは『宮古島まちづくり研究会』で、市側によると辞退届を提出したされる2業者については、同研究会から「この事業に関心を示している事業所がいる」と紹介されたという。
しかし、この2業者のうち1社は経営コンサルティングや電気工事業。もう1社は一般家庭電気機器の販売、修理などで、2業者とも観光プロモーション事業とはほとんど関係ない業種となっている。
「市として、この2社に見積もりを依頼して入札業者と認めるのは不自然ではないか」の質問に、垣花和彦観光商工局長は「その当時、どのような理由でそうなったのかは分からない」と述べた。
当時の状況について、当局の説明によると、予算計上のために14年5月に3社に見積もりを依頼し、それを参考に予算、事業設計をして価格を決定。それに基づいて7月には見積入札という形で3業者に「入札をするので見積もりしてほしい」と募集したが2社からは辞退届が提出され、残った宮古島まちづくり研究会が3700万円で受注した。
一方で、この辞退届の住所、社名、代表者名は手書きとなっていることに市議らから疑問が出ている。さらに、両社とも埼玉県に所在しており、この辞退届を誰が市側に提出したかもわからない状況で、当時の担当職員もそれについては口を閉ざしている。
さらに、この届出書を市に提出する際の委任状も存在しておらず、これについて垣花局長は「委任状は確認していないが、社の印鑑も押されているので必要ないと思う」と話した。
同事業については、市議会9月定例会でも前払い金のあり方が問題視され、複数の議員が一般質問で取り上げた。
市の会計規則では前払い金は4割を上限としているが、市は事業実施前に規則を超える80%を支払っており、質問した議員からは「会計規則違反だ」との指摘も出ている。