4億3800万円で過去最高/ロックフェス経済効果
観客7400人 観光振興に貢献/りゅうぎん総研試算
課題は宿泊、航空便拡充
りゅうぎん総合研究所はこのほど、宮古アイランドロックフェスティバル2016(今年6月18日、平良トゥリバー地区で開催)の経済効果は4億3800万円と試算した調査レポートを発表した。今年で11回目の開催で過去最高。観客動員数は約7400人で、うち県外は約3200人、宮古島以外の県内は約900人で、宮古島最大の集客イベントとして観光振興にも大きく貢献していると分析している。課題として宿泊施設の確保、航空路線の拡充など、受入環境の整備を挙げた。
経済効果を産業別にみると、最多は運輸業(航空、タクシーによる移動など)で8000万円。次いで宿泊業7300万円、飲食店4700万円、製造業(弁当、土産品など)4400万円などとなっている。
同研究所は、過去最高となった経済効果の要因として▽豪華アーティストの出演▽宿泊単価が上昇傾向にあり宿泊費が増加▽伊良部大橋という新たな観光資源ができた▽観光客増加に対応し臨時便(那覇-宮古)が就航した-などを挙げている。
レポートでは、同フェスティバルは島外からの観客を誘客し島内での消費を促しており、宮古島の観光振興に大きく貢献していると強調。今後の発展のためには、開催期間における宿泊施設の客室数の確保、航空路線や公共交通機関の拡充など、増加する観客を受け入れる環境整備が必要としている。
また、離島での開催は運搬費用などの多額のコストがかかり、人手も必要となると指摘。魅力あるアーティストを招き、継続して開催するためにも引き続き行政や企業、住民による地域を挙げた全面的な支援が求められるとした。
レポートの発表を受け、ロックフェス実行委は4日、下地敏彦市長に今年のイベントの概要を報告。野津芳仁実行委員長は「タクシーの運転手には『このフェスのおかげで、儲かった』という声を掛けられた。宮古のイベントとして認められたと思い感謝している」と話した。
野津委員長によると、宿泊施設の客室数が不足しているため、レンタカー内で眠る人もいるという。「一気に改善はできないが、解決に向け努力していきたい。市にも協力をお願いしたい」と話した。
下地市長は、「フェリーたらまゆう(多良間と宮古を結ぶ定期船)の船内を宿泊施設として活用してみれば」と課題解決に向けた糸口を提案。「市の経済活性化に大いに貢献している。今後とも継続して開催できるよう、市としても協力していきたい」と積極的に支援していく考えを示した。
宮古アイランドロックフェスティバルは、全国的に有名なアーティストが出演。イベント本番と前日の前夜祭、翌日には後夜祭が行われる。