「土人」発言に抗議決議/県議会
意見書を賛成多数で可決
【那覇支社】米軍北部訓練所でのヘリコプター着陸帯(ヘリパット)建設の警備に派遣されていた大阪府警の機動隊員が「土人」「シナ人」などと差別的な発言をした問題を巡り、県議会(新里米吉議長)は28日午前、臨時議会を開き、「県民の誇りと尊厳を踏みにじるものだ」とする意見書と抗議決議を審議し、それぞれ与党と中立会派(公明、維新)の賛成多数で可決した。
野党の沖縄・自民党は「現場の抗議参加者の発言も自制すべきではないか」「発言については、すでに県警の本部長が謝罪し、警察官も処分されている」「発言は不適切だが、県民全体に対するものではなく、県議会の決議になじまない」などとして反対した。
抗議決議などでは、「発言は沖縄県民の誇りと尊厳を踏みにじり、県民の心に癒やしがたい深い傷を与えた」「法を守り、市民県民の人権を守る先頭に立つべき機動隊員らによる発言に対し、県内外から多数の非難が出ており、不信感が広がっている事実を警察関係者は受け止めるべきだ」などと訴えている。
沖縄・自民党は対案として、「(東村)高江現場における不穏当発言に抗議し警備体制の改善を求める意見書」を提案したが、賛成少数で否決された。
意見書では「今回の発言は県民に向けられたものではなく、県民への差別発言でもない。建設をめぐる反対住民の言動がエスカレートし、現場は混乱状態にある」「(反対派による)警察官の人格、尊厳を傷つける発言は問題とせず、警察官の発言のみを取り上げることは、余りに一方的と言わざるを得ない」などと指摘している。
可決された抗議決議は県公安委員長と県警本部長に提出し、意見書は国家公安委員長、警察庁長官へ送付する。