雇用創出へ大学と連携/宮古島市
琉大、名桜大と協定締結/若者定着向け拠点づくりも
宮古島市は31日、雇用の創出と若者の定着を促進するため、琉球大学(大城肇学長)、名桜大学(山里勝己学長)との連携を強化する協定書を締結した。2020年3月まで、官民協働で市の雇用環境の向上に取り組む。具体的には市の就業者数を現在の2万2600人余から2万3300人まで引き上げるほか、過疎地域の活性化を図って若者の定着を促進する。
文科省の地(知)の拠点大学による地方創生推進事業に採択された大学の「未来叶いプロジェクト」(COC+)と市の街、人、仕事創生総合戦略を推進するために、市における雇用創出と若者定着に関する目標を定め、その達成を図ることを協定の目的とする。
市の主な目標は、現在2万2622人(10年国勢調査データ)の就業者数を2万3300人とする。人材育成プログラムを活用した新規雇用者数を今の239人から300人に引き上げて目標達成を目指す。
一方の大学側のCOC+事業の目標は▽県内就職率を10ポイント向上させる▽インターンシップ参加者を180人にする▽寄附講座を4講座開く▽新卒生による新規雇用創出18人-など。これらは県全体の目標で、宮古島市における新卒生新規雇用は2人以上を目指す。
このほか、若者の定着を狙って「小さな拠点」づくりを実践する。創造性豊かな学生たちのアイデアを取り入れながら過疎化や高齢化が進む地域に新しいコミュニティーを作り上げる構想だ。使用されていない公共施設などを活用してワークショップ等を開催、多世代交流を促進して地域の活性化につなげていく。
そのほか産業の創出や環境・エネルギー分野における雇用、交流促進に関する取り組みでも連携する。
協定書の調印式が31日午前、市役所平良庁舎で行われ、下地敏彦市長と琉大の大城学長、名桜大の山里学長の3者が署名を行った。
下地市長は「COC+事業と、地域における雇用の創出並びに若者定着を掲げる宮古島市の総合戦略の方向性はマッチする」と協定の意義を強調。「今回の協定による連携は、市の観光産業のさらなる発展に資するものだ」と話した。
大城学長は「大学が進めるプロジェクトと市の総合戦略に掲げた人材育成プログラムを進めていく。地域創生に貢献したい」と意欲を示し、山里学長も「地域創生に貢献できることをうれしく思う。力を合わせて取り組みたい」と述べた。
琉大、名桜大は宮古島市のほか、県、石垣市、久米島町とも同様の協定書を締結。2日には国頭村、大宜味村と協定を結ぶ。