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行雲流水
2016年11月8日(火)9:01

【行雲流水】(世界のウチナーンチュ)

 「世界のウチナーンチュ大会」は終わったが、その余韻は鮮明に残り続けている。それは、この行事が、県民をはじめ、世界各地の沖縄系の人々に、誇りと希望を与え、今日と未来に向けた影響の大きさの故である

▼「いちゃりばちょーでー」。一度出会ったらみな兄弟という意味の言葉で、言葉は違っていても、心はひとつという気持ちを共有、連携を確認しあった意義は大きい

▼沖縄で海外移民が始まったのは、1900年、ハワイへの26人の契約移民であった。過酷な労働条件のもと奴隷のように働かされた。そのような中でも沖縄移民は現地に溶け込み次第に適応していき、現在では知事も沖縄県系人である。ブラジルの場合、奴隷制度が廃止されたばかりで、その代換労働力として初期移民が使われ、劣悪環境におかれた。しかし、その苦難を超えて沖縄系は拡大していった

▼注目されることは、彼らの連携・結束の強さである。また、沖縄の文化を継承・発展させたことである。移住地からは三線(サンシン)の音が絶えることはなかったという。戦争ですべてを失った沖縄に、いち早く救援の手をさしのべたのも彼らであった

▼もともと琉球は貿易が盛んで、首里城に掲げられた梵鐘の「万国津梁」、すなわち「世界のかけ橋」は琉球の象徴である。移民の原因の一つは貧困であるが、海外への雄飛はDNAに刻まれた伝統とも言える

▼10月30日が「世界のウチナーンチュの日」に決まった。世界中の沖縄県系人がウチナーンチュであることを誇り、祝う日となる。

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