先島防衛力強化を示唆/安住防衛副大臣
調査費、来年度予算に計上
【那覇支社】安住淳防衛副大臣は8日、上原良幸副知事と県庁で面談し、沖縄政策協議会での在沖米軍基地負担軽減策など、政府の考えを伝えた。会談後の記者会見で、安住氏は尖閣諸島問題について、「防衛大綱を作成中であるが、東西冷戦中心だった大綱を、北から南へシフトする必要がある」と述べ、先島地域への自衛隊配備などの防衛力強化を示唆し、調査費を来年度予算に盛り込んだことを明らかにした。
安住氏は「先の大戦の激しい戦いの場であり、痛みを持つ地域なので、地元に足を運んで説明したい」とした上で、同地域での陸自配備など、「県民理解を得られるよう進めたい」と述べた。
副知事面談で安住氏はグアムでの視察内容を上原副知事に伝え、在沖海兵隊移設について、「2014年のターゲットは厳しいが、できるだけ早めることが沖縄の負担軽減につながる」と述べ、沖縄政策協議会でも沖縄側から積極提言するよう求めた。同兵力の移転は金融スキームの件で米側と大詰めの段階にあるという。
また、今回の嘉手納基地視察については、騒音被害の状況を見聞し、米側とも積極交渉を持つことを強調し、「県民の理解を得られないと次のステージに行けない」と述べ、地位協定改正についても前向きな姿勢を示した。
安住氏は、「沖縄戦を含め、本土とは違う環境の県であることを認識している。県民の厳しい声があることも承っている」として、「小指の痛みを理解し、負担軽減に取り組みたい」と述べた。
副知事面談後、安住氏は、糸満市の沖縄平和祈念公園で献花し、ケネス・グラック在沖4軍調整官と会談。嘉手納基地を視察し同日、帰任した。