市長選告示まで2カ月/保革とも体制構築できず
来年1月15日の宮古島市長選挙の告示まで、残り2カ月となった。しかし、保革ともいまだに内部の体制が整っていない。保守は候補者の一本化協議を現在も進めており、「オール沖縄」を掲げる革新勢力は、選考委員会で擁立候補を決定するも、選考のあり方やその手法を巡って、不協和音が解消されていない。保革とも盤石な選挙態勢の構築とはなっておらず、今市長選は超短期決戦の様相となっている
分裂状態の保守系は、現職の下地敏彦市長(70)がすでに出馬表明と事務所開きを済ませた。
また、出馬の意向を示している前市議会議長の真栄城徳彦氏(67)も今月17日に出馬表明を行い、23日に後援会事務所開きを予定している。
この分裂の状態を回避するために、保守系は自民党県連の役員などを含めて現在、候補者一本化の協議を進めており今後、保守系市議らで全員協議会を立ち上げて再度一本化を目指すとしているが、市議による協議は混迷している。一方の革新系は、選考委員会(下地学委員長)が全会一致で医師の下地晃氏(62)の擁立を決定したが、決定後の下地晃氏の発言や下地学委員長の会見内容を巡り一部で不満の声が出るなど、足並みは乱れている。
下地晃氏は擁立の条件となっていた選考基準や「オール沖縄」との連携については「完璧にスタンスを置くわけではない」と語り、是々非々を信条とする政治姿勢を強調している。
こうした姿勢に選考委のメンバーでもある共産党の上里樹氏は会見を開き、選考委での決定事項と、報道における下地晃氏の発言内容の相違を訴え、改めて選考委を開催するよう求めた。
しかし、下地学委員長は選考委の再開催は行わないとしており、その意向は衝突している。
この擁立決定を受けた段階で、自身の出馬については下地晃氏は「今はそのときではない」と明言を避ける一方で「今の市長がゴール(3選)に走り続けるのなら、前向きに考えなければならない」との見解も示している。
下地晃氏の出馬は現職市長の動向次第だが、現職はすでに事務所開きまで終えている。しかし、保守系内部では一本化協議も並行して行われていることから、下地晃氏が出馬表明するタイミングも見えにくい状況となっている。