市長選、4氏が名乗り
乱立も先行き不透明/保革とも「一本化」模索
来年1月22日の市長選挙に向け、現職を含む4氏が名乗りを上げている。保守系は、3期目を目指す下地敏彦氏(70)と、市議で前市議会議長の真栄城徳彦氏(67)の2人。「オール沖縄」を掲げる革新勢力は選考委員会で医師の下地晃氏(62)の擁立を決定(25日に出馬表明予定)。また、前県議の奥平一夫氏(67)も出馬の意向を示している(22日に出馬表明予定)。しかし、一本化の動きや各方面の思惑も入り乱れており、保革とも今後の展開は波乱含みとなっている。
保守系で動きが先行しているのは現職の下地氏だ。唯一、出馬表明と事務所開きを終えて体制を整えつつある。
一方の真栄城氏は17日に支持者を集めて正式に出馬を表明。23日に事務所開きを予定しており、出馬に向け着々と準備を進めている。
そうした状況下でも、保守系の一本化作業は現在も進められており、21日には保守系市議らによる全員協議会が行われる。全員協でどのような判断が下されるかによっても今後の展開が変わってくる。
全員協には現職支持派の市議9人のほか、「市政刷新」を掲げる新保守クラブの3人と21世紀新風会の5人の参加が見込まれている。
市議の一人は「公明会派は全員協に参加しないようだ。それでも市長選に対する姿勢は『市政刷新』とみられることから、市政刷新派が現職支持派を上回ることになる。21日の協議がどのような展開になるのかまだ分からない」と述べた。
革新勢力の動きも複雑で混迷している。選考委員会は全会一致で下地晃氏の擁立を決定したが、本人の政治スタンスや選考基準に対する考え方についてのコメントで、委員の一部からは異論が出ていた。
これを受けて16日に行われた選考委では「翁長県政と連携し、オール沖縄で建白書の実現に向けて取り組む」などが明記された選考基準について、下地晃氏が順守することを委員に伝えた上で、出馬の意思を示したという。
しかし、本紙の取材に下地晃氏は「全面的にオール沖縄のスタンスに立つわけではなく、是々非々の立場で取り組んでいきたい」とも述べている。この発言について、再び共産党の上里樹氏が「委員会の内部で話した内容とマスコミに話す内容で違いがある。再度確認する必要がある」との見解を示している。
そうした中、奥平氏は「これまで選考委を尊重すると言ってきたが、不透明な選考と言わざるを得ない」と選考のあり方を問題視。
さらに、「オール沖縄」との連携を強調した上で「私がいま手を上げなければ市政刷新という当初の目的を果たすことができない」と出馬の意向を示した。
保革とも「分裂では勝てない」との認識で一致するものの、それを解消する方法を見い出せないのが実情だ。
週明けの21日からは、保革ともに「勝てる体制の構築」へ向け、水面下で激しい動きを展開しそうだ。