TPP交渉不参加求める/県議会臨時議会
全会一致で意見書可決
【那覇支社】県議会(高嶺善伸議長)は9日、臨時議会を開き、政府が交渉参加を検討している「環太平洋戦略的経済連携協定」(TPP)交渉について、参加しないよう要請する意見書案を全会一致で可決した。民主会派2人は退席し、採決に加わらなかった。上里直司県議(那覇市区選出)が退席理由を「本質的かつ多面的議論が足りない」と述べた。TPP交渉参加に関しては宮古島市議の間でも「離島の農業は大きな打撃を受ける」と指摘する声があり、今後議論される見通しだ。
意見書はTPP交渉に参加すれば県の基幹作物であるサトウキビや肉用牛、養豚、パイナップルなどが壊滅的な打撃を受け、地域経済に深刻な影響を及ぼすことが懸念されると指摘。
また日本国、本県農業の安定かつ継続的な営農を進め、国民の食料自給率を確保、向上するため「経済連携協定」(EPA)とTPPの交渉に参加しないよう強く求めている。
上里県議は「農業への影響が出ることに対しては理解するが、県議会での意見書案は審議が不十分だ」、同会派の新垣安弘県議(島尻郡区選出・同県連幹事長)は政府が農業構造改革に取り組んでいることを強調し、「沖縄の農業を切り捨てるという意味ではない」と説明した。
同日、国会で開かれた衆議院予算委員会ではTPP交渉の政府基本方針決定をめぐり、与党民主党と野党自民党との間で激しい論戦が展開された。政府は来年6月をめどにTPP交渉に参加するか否かの判断をするとしている。
県議会は、きょう10日も臨時本会議を開き、知事提出議案の「県教育長給与条例の改正」「県職員給与の一部改正」について採決する。