人材、観光客受入など課題/解決へ官民一体を強調
市と経済団体が意見交換
宮古島市と市内経済団体との懇話会が5日、平良港ターミナルビルで開かれた。各団体から人材確保に向けた取り組みや、外国人観光客増加に伴う受入環境の整備、交通安全のための道路整備、農水産業の振興などさまざまな分野から課題が出され、解決に向け官民一体となって取り組むことなどを確認した。
市からは下地敏彦市長、長濱政治副市長、宮國博教育長や市の部局長ら33人、経済団体からは商工会議所、観光協会、青年会議所、宮古島・伊良部漁協、JAおきなわ宮古地区本部、県建設業協宮古支部から代表者ら21人が出席した。
中小・零細企業の人材確保に向け市は、現在、庁内に移住・定住ワーキングチームを設置して、移住定住の方向性の議論や世話人養成の実施、移住体験ツアーを予定していると述べた。
また、若者の地元定着に向けた観光関連の専門学校の誘致については、一括交付金を活用して「高等教育機関の設置可能性調査委託業務」を実施し、設置に関する調査、検討を進めているとし、「観光は本市のリーディング産業の一つであり、振興発展を図る上で重要な分野であると認識している。関連する高等教育機関の設置可能性について、学生や保護者のニーズ、将来的な継続性などを含め、総合的な検討を行っていきたい」と回答した。
クルーズ船寄港に伴う外国人観光客の増加については、市内観光地案内板を多言語化(日本語、英語、中国語、韓国語)しており、今後も外国人観光客が安心、安全に観光できる環境づくりに努めるとした。
また、店舗などのメニューの多言語化や通訳などスタッフの養成については、沖縄コンベンションビューローが実施している「翻訳支援」「派遣講師活用支援」を活用するよう周知を幅広く行っていくとした。
中心市街地公衆無線LANサービス(Wi-Fi)については、年度内で整備を行い、来年度から運用を開始する計画を説明。「外国人観光客への情報提供が強化され、受け入れ体制の充実につながる」と期待を示した。
そのほか、経済団体からは「道路の狭い通学路の環境整備」(宮古青年会議所)、「車エビ養殖場の砂入れ替え」(宮古島漁協)、「伊良部大橋橋詰から佐良浜漁港の間の街灯設置」(伊良部漁協)、「下地島空港周辺用地の草地確保」(JA)、「トゥリバー地区の早期開発」(県建設業協宮古支部)などの要望があった。
一方、市からは、宮古空港横断トンネル整備に官民一体となった取り組みを要望したほか▽園芸施設(ハウスなど)の共済加入推進▽小、中学生の職場見学・体験実施の継続的協力▽平良繁華街に設置した防犯カメラの電気料金負担-など7項目を要望した。
懇話会の冒頭あいさつした下地市長は「本市の経済活性化のためにはリーディング産業としての観光産業をはじめ、基幹産業である農林水産業を推進することが重要であることから、官民一体となって新たなニーズを発掘していくことが必要である」と強調。懇話会を通してさまざまな課題解決へ積極的に取り組むことに協力と連携を求めた。
宮古島商工会議所の下地義治会頭は「宮古は活性化しているが、それに伴ういろいろな問題がある。官民一体となって宮古のためにどうするかを協力しながら宮古の発展のために頑張っていきたい」と述べた。