新里玲子さんら功労表彰/県文化協会
地域の文化活動向上に功績
【那覇支社】2016年度県文化協会賞授賞式(主催・県文化協会)が4日、豊見城市中央公民館で行われ、地域の文化活動の向上に功績のあった59個人、19団体を表彰し、宮古島市からは功労賞に新里玲子さん、奨励賞に仲地邦博さん、団体賞に友利郷土芸能保存会(川満忠勝会長)がそれぞれ選ばれた。
このうち、宮古上布保持団体代表の新里さんは「地道に頑張って染め織りを支える技術者の協力があってこそ、1枚の上布に仕上げられる。感謝の気持ちを忘れずに、これからも制作に取り組みたい」と話した。
県文化協会の授賞理由によると、新里さんは染織歴33年。「島の植物染料で色上布を織り始め、利用価値の低かった太い糸に可能性を見出し、新たな織物を展開。研究を重ね現代の宮古上布の道を拓いてきた。技術伝承者の養成や伝統技法の調査研究などにも尽力した」、仲地さんは野鳥保護活動歴16年。「『宮古野鳥の会』の副会長・会長に就任し、与那覇湾のラムサール条約登録に尽力。野鳥観察会の開催やサシバなど渡り鳥の飛来調査を実施して学会論文を発表。野鳥保護を通して宮古島全体の自然保護、環境保全に貢献した」として、それぞれ評価された。
一方、友利郷土芸能保存会は1998年設立し、活動18年目。「三線などの楽器を使用せず、踊り手全員で歌いはやし、唯一本来のクイチャーと思われる様を継承。旧城辺町の無形民俗文化財に指定された。島内外の各種イベントに参加し、地元の学校行事などにも出演。次世代の子ども達を積極的に指導する」など、多彩な活動が認められた。
主催者あいさつで、仲田美加子会長は「それぞれの分野で地域に根差した特色ある文化活動を展開し、地域文化の振興発展に多大な貢献をされた。深く敬意を表したい」と述べ、受賞者をたたえた。