トゥリバー ホテル建設またも延期/市議会一般質問
土地購入会社が申し出/4度目、市 承諾
平良港のトゥリバー地区の土地を購入しホテル建設を計画している特定目的会社SCG15(東京都)が宮古島市に対し、ホテルの建設着手期間と営業開始期間をそれぞれ2年間延長することを申し出、市がこれを承諾していたことが分かった。本来なら、今年11月8日までに建設開始、2019年11月8日までに営業開始予定だった。契約から4度目の延期で、同社は「開発事業に関心のある一社と交渉を重ねているが、事業計画のより詳細な検証に今しばらく時間を要する状況」と理由を説明しているという。14日に行われた市議会(棚原芳樹議長)12月定例会一般質問で、濱元雅浩氏の質問に長濱政治副市長が明らかにした。
トゥリバー地区のホテル建設用地約13㌶は、2007年11月にSCG15へ40億円で売却された。
当初の契約では2年以内の着工、5年以内に営業開始となっていたが、08年12月に世界的な経済情勢の悪化などを理由に、着工と営業開始期限の2年間延期を要請、市はこれを容認した。
また、11年10月には同年3月に発生した東日本大震災などの影響を理由に、2年間の再延長を申し入れ、市はそれを受け入れた。
さらに同社は、「当初の開発計画策定時と事業を取り巻く環境が変化している」ことなどを挙げ、13年11月7日に市と「覚書」を交わし、16年までの3年間延期するとした。
今回の延期の申し出は9月26日付で、市は11月7日付で会社側が示した期限延長の要望書に「承諾する」とした回答文を送付。「建設開始期間の終期を18年11月8日までとする」「営業開始期間の終期を21年11月8日までとする」と明記した。
濱元氏は「(会社側が言う)『もう少し計画の詳細を詰めたい』というのが延期を了承した理由なのか」と指摘。長濱副市長は「市としてはこの申し出を断った場合に、契約解除という問題が出てくる。契約解除になると、売った土地を同額で買い戻さなければならない。その辺のところも考えて、これはやむを得ない措置と判断した」と答弁した。