請負契約否決に異議/未来創造センター
建設業協宮古支部 議長に意見書提出
県建設業協会宮古支部(長田幸夫支部長)は22日、宮古島市議会(棚原芳樹議長)12月定例会で、市未来創造センター(図書館と公民館併設施設)の建設工事請負契約が賛成少数で否決されたことに対し、「建設業界として納得できない」として棚原議長に意見書を提出した。意見書では「高落札率」が否決理由になった説明と、委員会で全会一致で可決されたにも関わらず、本会議では一転して「反対」に回った議員に、その理由を求めている。市議会事務局によると、議会で否決された議案に対し異議を唱えて意見書を提出するのは異例。
同センター建設工事請負額は建築1工区、電気設備、空調設備総額36億円余で、下地敏彦市長が提出し、総務財政委員会(嵩原弘委員長)に付託、審査された。
委員会では落札率の高さ(建築99・93%、電気設備99・54%、空調設備96・1%)に質疑が集中したが、採決では委員5人の全会一致で原案通り可決した。
しかし、本会議では公明の高吉幸光氏が、2回の入札不調を指摘した上で「計画の変更、設計を見直してでも事業費の低減を図るべきだ。建設についてはやぶさかではないが、設計の見直しが必要である」との反対討論を行った。
賛成討論はなく採決した結果、与党議員団8人は賛成したが、公明市民会議や新保守クラブ、21世紀新風会、野党の無会派4人が反対しため、請負契約3件は否決された。
提出された意見書では、「採算を度外視した受注は、受注者をはじめ関連する下請け、孫請けへのしわ寄せなど、企業経営に大きな影響を受けることから、回避した結果となっている」と指摘。資材や人件費などの高騰も示して、2度にわたり不調に終わった入札結果を説明した。
その上で「業者の適切な積算の結果であり何ら問題はない。何を持って承認が得られないのか」として、否決した理由の説明を求めている。
意見書を受けた棚原議長は「こういうこと(委員会で全会一致で可決し本会議で否決)が起こるとは夢にも思わなかった。必要だから造るのであって、市民への影響は大きい。下請け、孫請け、ひ孫受けの体制を組んで工事に臨む予定だったと思うが、この体制も崩壊していく」と述べ理解を示した。
市議会事務局によると、同議案を審査した総務財政委員会の嵩原委員長に意見書提出を伝えた上で、対応を協議する予定。
意見書の提出には長田支部長ほか、友利勝人、平良正樹の両副支部長が出席した。