海底光ケーブル開通
沖縄本島から多良間島へ/離島通信基盤整備事業
【那覇支社】県の離島地区情報通信基盤整備推進事業により、沖縄本島から多良間島、与那国島などを結ぶ海底光ケーブルの開通記念式典が10日、県庁の講堂と与那国町のDiDi与那国交流館とをTV会議で結び、同時進行で行われた。翁長知事は「この度の開通は、県や離島地域にとり大きな喜び。県は引き続き、各離島での光ファイバー網整備を進め、WiーFi整備による観光や防災面の充実、遠隔医療・教育などの住民福祉の向上や、さまざまな分野での利活用を促進し、離島の産業振興や定住条件の整備などに取り組みたい」とあいさつした。
同整備事業は、県内離島地区と沖縄本島都市部との情報格差を是正し、高度な情報通信技術の利活用環境の形成を図るのが目的。2013年度に県内各離島を対象とした調査・設計業務を終了し、14年度から2つのルートで光ケーブル敷設工事を開始した。
沖縄本島(糸満)~多良間島間400㌔、多良間島~与那国島~波照間島間290㌔の先島ループ590㌔㍍と、本島(読谷)~粟国~久米島などの久米島ループ170㌔㍍で、総延長が約860㌔㍍におよぶケーブル敷設を昨年10月に完了させた。総事業費は約90億円。国の沖縄振興一括交付金で8割、県が2割を負担した。
NTT西日本の既存のケーブルと合わせたループ化(二重化)により、自然災害や装置故障などで断線が発生した場合でも、一方のルートで通信サービスは継続される。本島と対象離島が高速大容量の光ケーブルの連結で、今後は住民向けの高速ブロードバンドサービスなどが可能になる。
来賓で県離島振興協議会長の外間守吉与那国町長は「国や県の支援に深く感謝したい。地震や台風災害、機器障害に強い情報通信基盤の整備で、教育や医療福祉、防災のさまざまな分野で離島市町村の振興発展に大きく寄与するものと期待している」語った。
式典に出席した多良間村の伊良皆光夫村長は「村の2019年度事業でケーブルの島内での利用工事を進める。IT関係の事業が離島で展開される可能性もあり、希望を大きく持っている。子どもの医療や教育問題などこれまで以上の離島対策の推進も期待され、島の発展に夢が広がる」と話した。