ヘリポート移設求める/野原部落会
市議会に陳情書提出
上野野原部落会の島尻信徳会長は12日、市議会の棚原芳樹議長に、同部落に所在する航空自衛隊宮古島分屯基地から派生する基地被害等の改善を求める陳情書を提出した。陳情書には、離発着する大型輸送ヘリの騒音や風圧振動被害の防止対策が、一向に改善されないとして、住宅に隣接するヘリポートの移設に向け沖縄防衛局に要請することなどを求めている。
同部落会は、隣接する千代田カントリーゴルフ場への陸上自衛隊配備計画が進められていることを懸念。「基地被害の改善が進展しない中、これ以上の基地被害は耐え難い」と実情を述べた上で、市議会として沖縄防衛局に対する要請行動を含め、市当局に対しても基地被害防止対策を求める意見書採択に取り組むなど、適切な対処を求めている。
提出された陳情書によると、同基地を離発着する大型輸送ヘリの騒音、風圧振動被害の防止対策を市と沖縄防衛局に要請したが「改善されない」としている。
また、沖縄防衛局は、基地内に新たな施設を建設する際の住民説明会を約束していたが「7年間余り開催されていない」という。
さらには、基地内建設工事は日曜や休日は工事を止めて騒音被害防止を図ると約束していたが「反故にされている」とし、「基地被害」の軽減を訴えている。
部落の神行事に伴う基地内御願所への出入りについても「容易にできるよう手続きの改善」を求めている。
陳情書にはまた、同基地について、「国防に寄与する重要な基地であることを理解し、基地被害を我慢し基地との共存共栄に努めている」と明記。その上で、「千代田カントリーゴルフ場への陸上自衛隊配備計画の具体的説明が行われないままの土地収用手続きや、住民説明会における防衛局の対応は住民軽視の不誠実な対応に憤慨している」と指摘し、「これまでの協力関係が裏切られたとの思いである」と述べている。
同陳情書は同日付で受理され、市議会3月定例会で審議される見通し。
陳情書は、同部落会の役員会で決定。棚原議長への提出には、島尻会長ほか、役員の仲里成繁さん、仲里雅彦さん、住民の仲里千代子さんの4人で行った。