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行雲流水
2017年1月15日(日)9:01

【行雲流水】(新春展望)

 酉(とり)年はさわがしい、とか。沖縄では、辺野古をめぐる最高裁判決をオスプレイがひっくり返した格好。混迷が続くだろう。トランプ政権の政策転換(海兵隊のグアム移転)を待つしかないのかも

▼欧米では、経済格差に不満をつのらせた国民の声を背景に、国家の方針がぐらついている。人類は、自国第一主義(民族主義・大衆迎合主義・保護貿易主義)がもたらす悲劇を見たはずだが。英国はEU離脱の展望をいまだに示せないし、米国のトランプ政権の政策も不透明だ

▼これら〝おもて〟の動きと、それを支えている水面下の動き、すなわち選挙民の心情が気になる。「たてまえやきれいごとには飽きた、本音でいこう」との思いのことだ

▼そこに「利己心」や「偏見」や「独善」がないかどうか。欧米の国民は近視眼になって、展望が利かなくなったのだろうか。身近な利害得失から「内向きの思考」になっているようにみえる

▼経済は、つきつめていけば生産と分配の世界。だが、自由主義経済は一筋縄ではいかない。凸凹もあり、タイムラグもあり、為政者の先見力だけでなく国民の英知も試されている。日本は、世界の潮流と逆風が巻き起こす三角波を無事に乗り切ることができるかどうか

▼今年は国内外で、非難、葛藤、超克の入り乱れたニュースが飛び交うことでしょう。それらにふりまわされることなく、嵐が過ぎた後の視点から「より良い手立て」を見据えたいものだ。未来志向と現実との調和は困難ではあっても、不可能ではないと思いたい。

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