前副知事の疑惑を認める/県教委
翁長知事は再調査の方針
【那覇支社】安慶田前副知事が県教員採用試験で口利きを依頼したなどの報道について平敷昭人教育長は24日午前会見し、「前副知事からの働き掛けはあったと考えざるを得ないとの結論に至った」と発表した。平敷教育長は、これまで内部調査などを基に疑惑を否定していたが、前教育長の諸見里明氏から報道内容を事実と主張する書面が22日に届けられたほか、前職員に改めて面談し疑惑を裏付ける証言が得られたという。
県教育委員会が副知事の疑惑を事実として認定したことは、翁長県政にとって安慶田氏の副知事辞職に続く打撃となる。翁長雄志知事の任命責任を問う声が高まる可能性がある。翁長知事は同日午後、記者団に対し「(安慶田氏は疑惑を)一貫して否定している。調査に協力するよう前副知事に呼び掛けたい」と述べ、再調査を行う方針を明らかにした。
安慶田前副知事については、2015年に実施された教員採用試験で特定の受験者を合格させるよう関係者に依頼した疑いや、教育庁の幹部人事に介入したとの報道がされている。同副知事は報道を一貫して否定していたが、混乱の責任を取る形で23日に辞職した。
諸見里前教育長が提出した書面によると、15年8月ごろ安慶田前副知事から、教員試験を受験している3人の受験番号・教科・氏名が記入されたメモ用紙を渡され「よろしくお願い」「無理しなくていい」と言われたという。結果的に試験結果に影響はなかったことも記載されている。
また、同年1月中旬ごろ教育庁幹部の異動先を指導統括監にするように指示を受け、断ると激しく恫喝されたことなどの記述もあり、報道を裏付ける内容となっている。