クルーズ船拠点に平良港/国交省選定
官民で受入整備へ/外国人旅行客増に対応
国土交通省は31日、クルーズ船運航会社の資金を活用し、クルーズ船を受け入れる拠点港の整備を進める対象に、平良港などを選定した。運航会社が旅客ターミナルビルなどを建設して他社にも開放する代わりに、岸壁の利用を優先予約できるようにする。クルーズ船で訪れる外国人旅行客の増加につなげる。下地敏彦市長は同日、市役所平良庁舎で会見し、岸壁の整備など受け入れ態勢を急ピッチで進めることを強調。「上海や香港など、主要港からの地理的優位性を生かした拠点にしたい。経済や雇用の効果は絶大のものになる」と期待した。
拠点港に選定されたのは平良港のほか、横浜(神奈川)、清水(静岡県)、佐世保(長崎)、八代(熊本)、本部(沖縄)の6港。
宮古島市や国が大型クルーズ船に対応した岸壁を整備し、運航会社「カーニバル社」(本社・米国)がターミナルビルなどの旅客施設を建設する。
運用開始は3年後の2020年を目指し、寄港回数は年間250回を予定している。市は、漲水地区に14万㌧級が接岸できる岸壁整備を予定。将来的には20万㌧級のクルーズ船に対応する岸壁整備を計画している。
下地市長は会見で、台湾からの観光客は30万人、中国から20万人を予測。消費効果は約156億円を試算しているとし「これをてこにさらなる経済活性化を進める」と強調。新たな雇用は750人に上ることも示して「若者の雇用が増え、定住につながる」と述べた。
ただ、短期間での受け入れ整備が必要で、下地市長は「民間資本をどれだけ投入できるか。経済界が一緒になって進めていくという官民連携の組織体制が必要」と話した。