親に寄り添う支援必要
発達障害児育児で講演会/宮古保健所主催
2016年度発達障害児支援に関する講演会(主催・宮古保健所)が4日、平良港ターミナルビル大研修室で開かれた。国立成育医療研究センターこころの診療部長の小枝達也氏が「ちょっと気になる子を豊かに育む環境について」をテーマに、育てにくさを感じている親に寄り添う支援の必要性などを語った。
小枝氏は、全ての子供が健やかに育つ社会を実現させるための重要課題として、育てにくさを感じる親に寄り添う支援を挙げる。育てにくさを感じる要因としては、子供の要因、親の要因、親子の関係性による要因、親子を取り巻く環境の要因の四つがあると指摘し、育児困難感を抱いている親には、その感情をキャッチして寄り添うことが必要との考えを示す。
「叱るよりほめる」や「着る服は自分で選ばせる」、「動作が遅くてもせかさない」などに留意して子育てすることで社会性の豊かな子に育つとの調査結果があることを紹介する小枝氏。家庭で過保護や過干渉を行うことは子供の育ちを妨げると注意を呼び掛け、過保護の定義は「一人でできることを手伝う」との持論を披露した。
発達障害の子供を保育する上で重要になる着眼点としては、みんなとの行動の同調、やり取りが成立しているかなどを挙げる。分かりやすく伝えるには直接的な表現が望ましく、比喩や皮肉表現は混乱や勘違いを生じさせる場合があることを説明。「分かること」は「イメージできること」とした上で、掛ける言葉は短めにするよう助言した。
会場には保育士や学校教諭、福祉施設職員らが多数来場し、小枝氏の話に聞き入っていた。