請負契約を一転可決/未来創造センター
21対4の賛成多数/市議会臨時会
来年12月に供用開始
宮古島市議会(棚原芳樹議長)の2017年度第1回臨時会が14日に行われ、提案された市未来創造センター(図書館と公民館併設施設)の請負契約3議案が賛成多数で可決された。同議案は、昨年の12月定例会で否決されたそのままの内容で提案され、今回は一転しての可決となった。1月の市長選の支持構図では与党11人に対し、野党15人となり、第3期下地敏彦市政は少数与党での難しい船出になるかに思われたがスムーズなスタートとなった。
今回可決されたのは、市未来創造センター(図書館と公民館併設施設)の建設工事請負契約で▽建築1工区▽電気設備工事▽空調設備工事の3議案。
昨年の12月定例会で、同議案は総務財政委員会(嵩原弘委員長)に付託、審査されて採決では委員5人の全会一致で原案通り可決した。
しかし、本会議では2回の入札不調や事業費の低減、設計の見直しの必要性を訴える反対討論があり、与党議員団8人は賛成したものの、公明市民会議や新保守クラブ、21世紀新風会、野党無会派4人が反対し否決されていた。
今回は、野党無会派の新城元吉氏、國仲昌二氏、上里樹氏、石嶺香織氏の4人のみが反対となり、賛成多数での可決となった。
質疑では同センターを含め、今後大型工事が短期間に集中していることについて、下地市長に見解が求められた。
これに対して下地市長は「一括交付金と合併特例債がもうすぐ切れる。この有効な制度があるうちにやっていた方が基本的に市の財政負担が少ないということで短期的に集中していることは確かだが、財政計画の中において十分耐えうる計画となっている」との見解を示した。
市によると、今回の可決を受けて約2カ月後に本体工事の着工となり、供用開始は来年12月を予定している。
昨年の12月定例会で同議案が否決された後、県建設業会宮古支部は「業界として納得できない」として棚原議長あてに異例の意見書を提出している。
今回の可決を受けて、ある業界関係者は「これでこの問題が市長選に向けた『政争の具』に使われたことが明白になった。今後こうしたことが起こらないよう誠実に審議してほしい。当局も大型工事については議会の反対の声にも耳を傾けながら進めるべきだと思う」と話した。