生徒派遣費 石垣の半分/教育予算
補助枠の拡充困難に
宮古島市の2017年度当初予算案で、島外スポーツ行事等にかかる児童生徒の派遣補助費として1600万円が計上された。前年度と比べて100万円の増額だが、石垣市と比べて半分以下の水準だ。この予算規模では、地区中体連が求めている補助対象枠の拡充は事実上困難となる。
派遣費補助事業は、市の児童生徒を宮古地区の代表選手として県大会に派遣する際、航空運賃の片道分を市が負担する制度。規則では各競技の上位3位までが補助の対象となる。
離島住民のハンディを解消し、家庭の負担を軽減する重要な予算だが、「上位3位」を補助対象とする規則に一部で不満がある。
中体連によると、競技によっては4位でも県大会に派遣される枠がある。卓球や駅伝がこれに該当し、上位4位まで派遣しているという。しかし、市の規則上対象外であることから4位の選手・団体は補助が受けられない。このため、学校やPTAの間で不公平感を指摘する声が漏れる。
同じ先島でも、石垣市の児童生徒派遣費は比較的手厚い。地区大会の順位にはこだわらず、代表選手・団体であれば原則補助対象として運賃を補てんする。
石垣市の派遣費にかかる予算は3300万円と宮古島市の2倍だ。1人当たりの補助額は宮古島市と大きな差はないが、補助金を拠出する対象枠の違いが予算額に反映されている。
この現状を踏まえ、地区中体連は昨年12月、市教育委員会に4位まで補助を認めるよう要請。3位までの規則を変更し、補助対象枠に幅を持たせて家庭の負担を軽減するよう求めた。
市教委は内部で検討を重ねたが、「現段階で規則を改正するのは、予算的に厳しい」(学校教育課)との結論に至った。結果として16年度の実績をベースに次年度予算を要求、100万円の増額で落ち着いた。
補助対象枠の拡充について学校教育課は「予算の範囲内において、4位までは難しい。規則を変更すると全競技に適用されるため予算上対応できない。検討は続けたい」としている。